*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 60-08 章」


『子育ちは 密な時間を 貪欲に』


■子育ち12明暗■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第8明暗』

【貪欲】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第60版では,私の育ちの項では良い選択を,私たちの育ちの項では悪い選択を考えてみます。

《貪欲とは?》
 貪欲とは,「欲望をどこまでも追求し,満足することを知らない様子」とあります。欲望が否定されることはありません。知識欲という欲望は歓迎すべきものです。マズローに依れば成長への5段階の欲求があるということです。食欲などの生理的欲求,身の回りの安全の欲求,所属などの社会的欲求,自信などの承認の欲求,創造などの自己実現欲求です。その欲求を野放しにすることは控えなければなりません。過ぎたるは及ばざるがごとし,やり過ぎ,つまり欲張ったら,自己破産にひっくり返るのです。

 勉強した方がいいといって,貪欲に勉強漬けになると,能力のアンバランスが生じます。運動が似合ってると思い込んで運動三昧では,別の能力開発が滞ります。何事もほどほどがいいようです。その中でちょっとだけ得意なものに打ち込んでいくようにします。ゲームなどに遊びほうけて大切な時間を浪費するのではなく,限られた今日という時間を精一杯何事かに打ち込む,そういった抑制された貪欲さが,創造などの自己実現につながります。近頃の子どもには,この辺でいいといったあっさりした欲のなさが気がかりです。

 なにか面白いことはないか,そういう隙間に,ちょっとした悪ふざけが芽生えます。LINEの中で何気なく標的を定めて貪欲にいじりを始めます。面と向かった言葉と違って,記録された文字はぬぐえません。自分が誰かをいじった証拠が末永く残されます。気晴らしは手の届く範囲でほどほどにしないと,後になって,とんでもないときに跳ね返ってきます。成長して就職面接の時に,「あなたは中学時代にひどいいじめをしていましたね」なんていう暴露が起こらないとも限りません。悪い想像はほどほどにしましょう。



 いじめに荷担はしなくて,巻き添えが嫌で見て見ぬ振りをする友達がいます。いじめられている子どもには,見ているだけの子どももいじめを認めていると見えます。友達ではないのです。自分の味方は一人もいない,そのことがいじめられている子どもには最も辛いことになります。「無為のいじめ」ということを知っておいてください。いじめを止めさせる勇気を出すことができなくても,普段通りにつきあうということだけで,独りではないという友達であることができます。その友達甲斐がいじめ自殺を救う希望です。

★落書き★

 着物の打ち合わせは男女ともに右前ですが,洋服では男性が右前,女性が左前です。男女ともにほとんどの人は右利きで,右前の方がボタンを通しやすいものです。なのに,どうして,女性の服は左前なのでしょう。昔,ヨーロッパでは,ボタン付きシャツのように洋服屋さんが手間暇かけて縫う衣服を着られる女性は,上流階級のご婦人だけに限られていました。そういう女性たちは自分で衣服を着ることはせずに,召使いたちに着せてもらっていました。そのため,召使いがボタンを掛けやすいように左前に作られたということです。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第60-07章に戻ります
「子育ち12章」:第60-09章に進みます