*** 子育ち12章 ***
 

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「第 60-10 章」


『子育ちは 今すべきこと 抜かりなく』


■子育ち12明暗■

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『子育ち第10明暗』

【怠惰】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第60版では,私の育ちの項では良い選択を,私たちの育ちの項では悪い選択を考えてみます。

《怠惰とは?》
 怠惰とは,「すべきことをしないで,無駄に時間を過ごしている様子」とあります。すべきことが見えていないと、始まりません。育ちにおいてなすべきこととは,どういうことかを知っている必要があります。具体的にこれということではなく,今なすべきことは,目の前にあることです。授業の前にすべきことは,教科書やノートを開くことです。帰宅してすべきことは,手を洗いうがいをして,宿題を済ませることです。夕食の時は,お母さんのお手伝いをすべきです。今なすべきことに取り組むだけでいいのです。

 時間は限られています。今日という時間は,十数時間しかありません。運動や技芸などの分野で,こつこつ練習している子とぼんやりしている子の力には歴然と差がついてきます。それは育ちという面でも同じです。すべきことをしている子は,日々着実に成長していきます。逆に,失った時間を取り返すことは不可能です。子どもの成長はその年齢に応じたすべきことがあります。それを欠くと,その後の育ちの土台がないので,成長は停止します。ある段階で分からなくなった教科のその後が意味不明となるのと同じです。

 すべきことが分からずにぼんやりしていると,親や先生からあれやこれやすべきことを指図されて,渋々することになります。その強制は最初だけに止めて,成長に合わせて子ども自身が見つけられるように,任せていくことが大切です。念のためにお願いしておきますが,遊びの時間が無駄だとは思わないようにしてください。すべきこととは,育ちについてすべきこと,遊びも含めて,習慣,見方,考え方,つきあい方などのあらゆる面についての課題と考えるべきです。勤勉な姿勢で今の育ちに向き合えるように導いてください。



 いじめという局面で,最も危惧すべきことは,いじめられている子を孤立させることです。いじめをしないで傍観する子どもたちが多数いるはずです。いじめられている子どもにとっては,傍観する子どもたちもいじめへの加担者になります。誰一人自分とつながってくれない,一人ぼっち感が最も辛い仕打ちになり,絶望をもたらします。たった一人でも勇気を出して普通につながってくれる友達がいさえすれば,追い詰められなくて済みます。無為のいじめがいじめの仕上げになるという恐ろしさを知っておいてください。

★落書き★

 ガッツのある子どもに育ってほしいものです。ところで,ガッツとは? ガッツはガット(gut)の複数形です。腸という意味の言葉です。腹の据わった人というと,度胸があるしっかりした人物をいいますが,英語でも腸がしっかりしている人とは勇気のある人,忍耐力のある人という意味になります。そこから転じて,ガッツは勇気,元気,根性という意味になりました。因みに,テニスのラケットやギターの弦に使う糸もガットといいますが,羊の腸から作られたからだそうです。


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