*** 子育ち12章 ***
 

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「第 60-11 章」


『子育ちは 小さな勇気 発揮して』


■子育ち12明暗■

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『子育ち第11明暗』

【勇気】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第60版では,私の育ちの項では良い選択を,私たちの育ちの項では悪い選択を考えてみます。

《勇気とは?》
 勇気とは,「普通の人が不安・恐れを懐いたり躊躇,恥ずかしさを感じたりする所を屈しないで,自分が正しいと思った通りやってのけようという積極的な気力」とあります。参観に行って,我が子が手を上げないと,勇気を出してほしいと思ったりします。恥ずかしさを振り払ったり,失敗する恐れを振り切ってくれることを期待します。もっとも小学生低学年までは,自意識が未熟ですので後先を考えずに,つい先走りしがちです。自分が正しいといった確信に基づいた勇気ある行動ではありません。

 人と違うことをすると目立つので,見られる自分という意識が目を覚まします。人にどう思われるか,笑われないか,嫌われないか,憎まれないかという心配を強く感じると,行動を抑制することになります。横並びが安心という思いが強いと,勇気を出すことを避けてしまい,自分らしさを育てることができなくなります。人の目を気にしないでいいという気持の持ち方の転換を導いてやることが必要です。乗り物の中で高齢者に席を譲ることに勇気がいるのはなぜでしょう? 勇気を出さなかったら後悔するのはなぜでしょう。

 育つという営みは,どんなことであれ,初体験となります。したことがないことをするというのは不安であり怖いものです。何しろ先が全く見えないのですから。その不安などを押さえ込む気力を持つように,親や大人は「勇気を出して」と背中を押すことになります。そう言われても,怖いのは変わりないので,勇気を出すことはできません。ただ闇雲に「しなさい」というかけ声ではなく,「大丈夫だから」という安心を与えることが大切です。不安を丸ごと消すことはできませんが,軽減できれば,手持ちの勇気が間に合うようになります。



 幼い子どもは無鉄砲ですので,何でもやってしまいますが,勇気を出しているとはいえません。無理・無茶の領域に踏み込んでしまうので,ブレーキを掛けてやらなければなりません。もう一人の自分が育って,自分を守るということを考えられるようになると,臆病になるので,勇気という気力を育てる必要が出てきます。そのためには,正しいことをするという確信が必須の条件になります。する価値のあることである,その自信がなければ,勇気を出す意味が見いだせないでしょう。

★落書き★

 子どもは子どもなりの悩みや心配事を持ちます。どうしようもない所にはまり込むと,前に進めなくなり,苦しむことになります。助けを求める勇気が必要になります。その勇気を引き出してやるために,周りの親や大人がごく平静に受け止めてやるようにしなければなりません。もし大騒ぎをされると思わせたら,子どもは大きな勇気を迫られるので諦めようとします。何であってもどっしりと構えて平然と子どもの悩みを受け止めてみせる,その体験が小さな勇気を発揮する機会を与えるようになります。


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