*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 62-03 章」


『子育ちは 人のぬくもり 重ね合い』


■子育ち12教示■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第3教示』

【温和な環境】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第62版では,仕合わせを目指す人生の目標として掲げられていることを,子育て羅針盤風にお伝えする予定です。

《温和な環境について考える?》
 親しき仲にも礼儀あり,と語り継がれてきましたが,それを知ってはいるけど実行はされなくなっているようです。うれしくない統計ですが,親族間の殺人が,ここ数年,検挙件数の53.5%になっています。親子,兄弟,配偶者などの親族は,文字通り親しき仲であるはずですが,他人より用心しなければならない仲になろうとしています。親しい関係であるがために,「どうして分かってくれないのか」という不満を向けやすいという甘えがあるのでしょう。家族には何を言ってもいい,それが虐待やDVにもなります。

 礼儀とは,他人行儀になることではなく,人として尊重し合うことです。分かってくれるはず,という自分勝手な思い込みは,礼を失しているのです。分かってもらうという営み無しでは,無礼になります。親子,夫婦では,言わなくても分かるはずという礼に対する手抜きが,小さなすれ違いを生じ,親しい仲にひびを入れていきます。親しい仲と思うほど,小さなひびを過剰に感じることになります。親しさとなれ合いは違います。親族のぬくもりとは,甘えることではなく,お互いに礼を交わすことから育まれます。

 家族はもとより,友人や近隣の関係でも,小さな事が気持ちをねじ曲げることがあります。冗談の程が過ぎると,いじめになります。例えば,手でほおを殴ったとき,衝突の衝撃は同じはずですが,痛みはほおの方が強くなります。仕掛ける方と仕掛けられる方の感じ方は,受ける方が強くなります。だからこそ,仕掛ける側に気配り,思いやりが求められるのです。人とのつながりが安心できるものであるとき,人は温かな居場所を獲得します。親子,家族のぬくもりを取り戻しましょう。



 アメリカの2つの大学で,日常的なストレスを軽減する方法として,知人や友人を助けることが効果的であるという研究が発表されました。援助行為の数が普段よりも少なくなると,ストレスやネガティブな感情が高まり,よく援助した場合は精神的健康が保たれ,ストレスが和らいでいたということです。人は他者と援助を互いに交わしあうことで,和やかな関係を築いていくのでしょう。人は社会的動物であるという賢人の言葉は,援助によるつながりという形の社会を想起していたのかもしれません。

★落書き★

 子どもは親のすねをかじります。ところで,金品をねだることを,金の無心といいます。無心は,心ないこと,心を用いないこと,相手を思いやらないことを意味します。その意味が転じて,相手の思いを気配りすることなく,わがままに金品をねだることを意味するようになったようです。子どもの無心にはついつい応じてしまうかもしれませんが,ほどほどにするということを年齢に応じて,分からせていくことがしつけになります。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第62-02章に戻ります
「子育ち12章」:第62-04章に進みます