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「第 62-12 章」 |
『子育ちは 個々の経験 まとめ上げ』
■子育ち12教示■
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『子育ち第12教示』
【経験の開発】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第62版では,仕合わせを目指す人生の目標として掲げられていることを,子育て羅針盤風にお伝えする予定です。
《経験の開発について考える?》
人が他の動物と違うのは,学習という経験を身につける力を持っていることです。そうはいっても,子どもは何度言っても言うことを聞かないものです。言われて知ってはいるのですが,できないという壁があります。赤ちゃんが,まわりの人が歩いているので見よう見まねで歩こうとしても,すぐにはできません。伝い歩きからはじめて,何度も転びながら,全身に歩くための力の配分を覚え込ませる訓練が必要です。経験を重ねるという訓練をしなければ能力にならないのです。育ちの基本形です。
人は,世界を五感で捉えて生きています。今の暮らしの環境では,そのことを忘れがちになります。学習の方法に情報機器が広く取り入れられてきました。例えば,花の画像があって名前を知れば,分かったような気になります。実際に見たものとの対応がなされなければ,知恵にはなりません。カタログで見た品物と実際に手に取ってみた品物は違います。視聴覚世界から味覚・嗅覚・触覚を含めた総合的五感世界への展開が伴うことが必須です。馬の写真と実物では迫力が違うのです。実体験が大事です。
育ちには経験の段取りというものがあります。発達段階という時系列も配慮しなければなりません。具体的には学年があるということです。自分の能力を次の一歩に高めていくためには,今の自分にできそうな課題を見つける必要があります。子どもが大人の真似ができるはずもありません。上学年の能力に近づくことが,今目指す発達課題になります。その経験の開発にとっては,上学年のそばにいること,タテの集団にいることが必須です。小1ギャップや中1ギャップも,タテ集団があれば,かなり低減するはずです。
大阪の中学校の校長先生が全校集会で生徒に話した内容について,ちょっとした騒ぎが起こっています。「女性にとって最も大切なことは子どもを二人以上産むことだ」という発言が軽率であるというのです。人口減少を憂うことから出たのでしょう。一方的な押しつけ感があることが問題となっています。もう一つの問題も見逃せません。それは,子どもを産むことを女性に限定していることです。男性も子どもを産むことに同等に関わっているという発想が欠落しています。夫婦が子どもを産むのです。
★落書き★
スーパーのにぎり寿司を眺めると,わさび抜きというものが目に入ってきます。さび抜きの寿司は想定外ですが,子ども用でしょうか? マグロの脂身,胸の辺りの身をトロと呼びます。その理由は,トロを口の中に入れると「トロッ」とした舌触りがあるから。贅沢な寿司ネタにしては,気軽な語源です。ところで,昔は,トロには「猫またぎ」という別名がありました。猫もまたいでしまうほどまずいものだったのです。昔の人は白身の魚を好み,脂っぽい魚を嫌っていました。好みが変わったのです。
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