*** 子育ち12章 ***
 

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「第 63-11 章」


『子育ちは 失敗しないと 進まない』


■子育ち12教訓■

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『子育ち第11教訓』

【失敗をおそれず】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第63版では,遠い国のある祖父が孫たちに語りかけたアドバイスから,教訓として12のメッセージを,子育て羅針盤風にお伝えするつもりです。

《失敗をおそれず?》
 野球の世界で,3割打者は偉大な選手です。10打席の中で3回の安打ということです。7回は打者としては失敗しているのです。物事は思い通りに行かないということを納得するのがスポーツです。テストでいえば,0点が出発なのです。できないという失敗をどう乗り越えていくのか,その挑戦が能力を高めるプロセスです。頑張って10点までできる。次にまた頑張って30点までできる。できる自分になっていくことを認めることが,次への挑戦を促してくれます。やればできるようになっていく,信じることです。

 大きな夢を描いて挑戦することが,物語の中でかっこよく語られます。子どもたちは憧れます。一方で,親は現実はそんなに甘くはないと身に染みているので,夢を諦めさせようとします。夢を持つことは大切なことです。あそこまで行きたいという目的があるから頑張ることができますし,道がふらつかなくて済みます。気をつけることは,夢の実現を今すぐと焦らないことです。夢の実現に向かって,今の自分ができる目標を見つけることが大事です。物事の成就には作業手順,計画性が不可欠です。今は勉強が大事なのです。

 試験問題を出すときに考えることは,できるという道筋に誘導することです。問題を読めば,こう取り組んでくるはずだから,そこで次の手を気付かせるためには,答という目標をこのように伏せておこう,と組み上げます。講義で教えた手順通りに取り組んでいけば,たどっていけるはずだと期待するのですが,手出しをしない学生がいます。問題を読んで自分に何ができるかを見つけようとしないので,取り組めないのです。自分にできることを探して,とりあえずやってみる,それが挑戦の入り口なのです。



 「自分に長所がある」と思う子ども割合(68.9%)は,日・米・韓・英・独・仏・スウェーデンの中で最下位だったそうです。他の国では,93.1〜73.5%でした。このような情けない育ちをしているのは,身近にいる大人たちが,目の前にいる子どもの長所を語らないからとも指摘されます。失敗を繰り返す子どもをダメな子と評価し,面と向かってダメ出しをしてきた結果なのでしょう。失敗するのは当たり前であり,なけなしのできた時を認めるように,少し関わり方を変えてみた方がいいようですよ。

★落書き★

 食べ物を脚でつかんで食べるタイプの鳥がいます。たとえば,ヤマガラは捕らえた昆虫を一方の脚で押さえつけて食べるが,それぞれの鳥は自分の利き足を使っているそうです。三宅島にすむオーストンヤマガラを調査したところ,右利きと左利きの比率は6対4だったそうです。鳥にも,右利きと左利きがあるようです。人の世界では,圧倒的に右利きが多いのですが,それは右利き用の道具を使う関係で,幼少期に左利きを右利きに強制されるためです。道具を使わなかったら,人の利き腕も半々だと推察されるそうです。


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