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「第 64-02 章」 |
『子育ちは まずは信じて 付き合いを』
■子育ち12教則■
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『子育ち第2教則』
【他人を信じよう】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第64版では,あるお店のスタッフに向けた注意すべき心の持ち方25箇条の中から,子どもの育ち12の教則として選び抜いたものを,子育て羅針盤風にお伝えするつもりです。
《他人を信じよう?》
人の思惑を気にしていると,自分が無くなります。自分以外の人はたくさんいます。親の思惑,先生の思惑,友だちAの思惑,友だちBの思惑,あれこれ気にしていると自分はばらばらになります。メールに早く応答しないと無視していると思われる,お互いに悪く思われそうでビクビクしているから,隙を見せまいとして切羽詰まっていきます。この辛い思惑の縛りから抜け出さなければ,社会性の育ちに進むことができなくなり,対人関係の落とし穴を掘ることになります。
社会性とは,自分以外の人を信じるところから生まれてくるものです。お互いに信じて頼り合える,その前提があるから社会は人が生きる世界になります。中には,信じられない人も出てくるでしょう。そういう人は改まるまで一旦避けておけばいいのです。他人を信じるためには,前号でお話ししたように先ず自分を信じることです。もし自分だったら,今の自分に友だちになってほしいですか?と自問することです。疑り深い自分であったら,友だちとしてごめんですよね。
人付き合いは,自分の影との付き合いです。他人は自分の鏡とも言われます。類は友を呼ぶ,それも自分に合わせた仲間しかできないということです。自分を信じて他人も信じる,その開いた気持ちを持つことができたとき,社会は招き入れてくれます。子どもに他人を信じることを教えるのが家族です。家族は社会の入り口にならなければなりません。勝手気ままができることではなく,親しき仲にも礼儀があるという,他人を尊重するという配慮が社会的マナーとなります。
諸外国に比べて,日本の若者の「自分には何らかの長所がある」と思っている割合は,非常に少ないということです。そのように育てられたということです。自分のことを分かってくれているはずの親が,自分の長所について語ってくれることがなく,常日頃から短所を厳しく指摘してくれたお陰です。親が子どもの育ちを信じていないのでは,焦るばかりで,育ちつつある些細な長所など見過ごしてしまうでしょう。信じるとは見つけてやることなのです。信じてやれば育ちます。
★落書き★
渓流の水がうまいのには訳があります。味はミネラル分と二酸化炭素でつくられています。湯冷ましの水がまずいのは沸騰したときに二酸化炭素が逃げ出すからです。香りは水の鮮度とイコールです。新鮮な水ほどいい香りがするそうです。都市の水道水は貯蔵されたダムの水なので鮮度がありません。温度は水の冷たさです。体温マイナス25度Cが一番おいしく感じる温度だそうです。渓流の水はまさに10度C前後です。味,香り,温度,の三拍子そろっているからおいしいのです。
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