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「第 64-03 章」 |
『子育ちは 謙虚になれる 気の余裕』
■子育ち12教則■
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『子育ち第3教則』
【謙虚でいよう】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第64版では,あるお店のスタッフに向けた注意すべき心の持ち方25箇条の中から,子どもの育ち12の教則として選び抜いたものを,子育て羅針盤風にお伝えするつもりです。
《謙虚でいよう?》
人騒がせな人というのは,どこかで思い上がっているところがあります。地位を笠に着ればパワハラになり,力を誇示すればDVになり,豊かさをひけらかせば嫌みになります。能ある鷹は爪を隠すという言葉を思い出せば,開けっぴろげな自慢はあまりほめられたものではありません。何事かについて自信を持つことは大事ですが,それを
他者に押しつけては迷惑でしかありません。人をなんだと思っているのだろうと思わせては,人間関係は成り立たなくなります。
私が私がとのべつ出しゃばってくる子どもがいますが,ほどほどにしないと,いいようにあしらわれるようになりかねません。出る杭は打たれるとは,子どもの世界にも起こりえます。普段は控えめで謙虚な振る舞いをしていれば,穏やかな人間関係が構築できます。普通の落ち着いた関係を保つように気を配ればいいのです。人間関係をお互いに五分と五分にするように気をつけることです。謙虚であることによって,相手を尊重するという関係ができあがるのです。
御山の大将という存在があります。子どもは家庭の中で大事にされて,御山の大将になっていると,そのままで友だち集団に入っていくことができません。家では大将でも,外ではただの人になるという謙虚さを持っておくことが大切になります。そこをきちんと教えておかないと,人の中に入ることが苦手な子どもになります。自分の思い通りにならない社会から逃げるようになったり,逆に無理矢理自分の世界を創ろうといじめに向かったりします。謙虚であることは,人としての資質なのです。
新聞に掲載されていた3年生の詩です。タイトルは「お嫁さん」。
ぼくはお嫁さんはいらない。だって夜おそく帰ってきたら,「どこにいってたの!」とか「こんなおそくまでどこにいたのー!」と聞かれるからです。それにおさいふの中身を勝手に使われたら,たまったもんじゃありません。だからぼくはお嫁さんはいりません。
お母さんはお嫁さんとして自分がどう見られているか,たまには考えた方がよいようですよ。
★落書き★
器用とは,手先などを上手に動かすこと,要領がよいことを意味します。器はうつわ(容器)であり,器用とは役に立つ器物,器として役立つものという意味です。転じて,役に立つ才能があること,あるいは才能が優れた人のことを指すようになり,手先の技巧が優れているという意味になりました。器用でない人のことを「ぶきっちょ」といいますが,それは不器用のなまったものです。
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