*** 子育ち12章 ***
 

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「第 65-09 章」


『子育ちは 先取りしない 豊かさを』


■子育ち12進路■

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『子育ち第9進路』

【相手の豊かさを先にしよう】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第65版では,数あるマーフィの言葉から,子どもの育ち12の教則として独自に選び抜いたものを,子育て羅針盤風にお伝えするつもりです。

《相手の豊かさを先にしよう?》
 個人が生きていくためには,先を争って,モノを手に入れなければなりません。その行動が過剰になると,他者が手に入れたモノを横取りしようとします。その行為は犯罪として抑制されています。生活の場では,盗みや略奪はしてはいけないことになっています。それは,個人が生きていくことと同じに,仲間集団が生きていくことも大事であるということです。分け合うという互助が,人としての豊かな振る舞いなのです。他者に豊かさを供した後で,共生を喜ぶという感性が人をつなぎます。

 豊かさを人より先取りしていると,周りに妬みがわき上がってきます。むしり取ろうという攻撃を受けます。川崎のいじめでは,地震の補償金をもらっているだろうという邪推による略奪が起こりました。残り物に福があるという言葉があるように,豊かさは他人を先にしておけば,悪意を招き寄せることはないでしょう。子どもが寝ている間に美味しいものを食べていると,子どもは「私だけ仲間はずれにして。ずるい」と親に食ってかかります。人はずるいものということを教えたら,ずるくなるかも?

 イギリスに「牛乳を毎朝飲む人よりも,届ける人が健康になる」という諺があるそうです。周りの人を豊かにしてやって喜ばせようと努めていると,時として生きがいと言われるような豊かな心情を生み出すことができます。子どもが何気なく手伝ってくれたとき,「ありがとう,助かったよ」と感謝の言葉を送ると,子どもはまた手伝おうという気持ちになります。相手に先に無形の豊かさを渡すことによってのみ手に入る,無償の喜びのすばらしさに触れてしまうからです。



 学校の授業で,分からない友達がいたときに,教えてあげるとよいようです。同じ子ども同士なので,どこが分からないかが思い当たるので,分かりやすい説明ができる上に,教えるという働きかけからもう一度学び直しができて,理解が一層深くなります。教えて分かるというステップがあります。教えるためには,きちんと頭の中を言葉で整理しなければならないことが,学びの仕上げになります。相手によかれと思うことで,しっかりとお返しが思いもよらずに舞い込んでくるのです。

★落書き★

 目を開けると前が見えます。顔の向いている方を,前と言います。今より以前という意味で「前の先生」「卒業前の写真」といった使い方もあります。語源は「マ(目)+エ(へ(方向))」で,目の向いている方向,すなわち,前方の意です。シリ(後)+エ(へ(方向))の後ろの方向に対する語です。光がちらちらする,目をぱちぱちさせるのをマタタクといいます。語源は「マ(目)+タタク(叩く)」です。目ばたきする意が,マタタクです。


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