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「第 70-08 章」 |
『子育ちは 優しさあふれ 幸せを』
■子育ち12目標■
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『子育ち第8目標』
【優しい心情を尊重できる子どもに?】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第70版では,「子育ち」が目指すべき目標をシンプルに掲げて,確認していくことにします。毎日子どもたちがどこを目指して育っているのか,その育ちが偏っていないか,人として必要な育ちに欠けている部分がないか,その12の必須の目標を,再確認したいと思っていますので,お付き合いください。
《優しい心情を尊重できる子どもに?》
子どもは成長するにつれて様々な能力を獲得していきますが,それは自分の思う通りにしたいという欲に導かれています。獲得した能力を使って何をするか,その目的の選び方が大事です。IT技術が堪能だからといって,ネット詐欺に関わってしまうなら台無しです。自分の能力を望ましいことに向けて発揮しようとする心情を育むことが大切です。腕力のある子どもが,いじめをするのではなく,弱い友達をかばってこそ,本当に強い子になれるのです。
人の厚意を受けてうれしいから,アリガトウと感謝の言葉を言います。「アリガトウ」は美しい言葉ですが,この時に感じているうれしさは,して貰うもらうまで待っていなければならないうれしさです。ちょうだいという願いが叶えられたうれしさです。知り合いの方からお菓子を貰ったとき,アリガトウとちゃんと言うようにしつけられます。お礼がちゃんと言える子どもに育っていくと,いい子に育っていくはずです。でも,待てずに恐喝して,アリガトウと言う子どももいます。
道を誤ってしまった少年が矯正指導の際に書く作文の中で,「自分はこれまでに人からアリガトウと言われたことがなかった」と打ち明けています。アリガトウと言うだけの自分であることに気がついたのです。人はちょっとした厚意を示してアリガトウと言われるとうれしくなります。このうれしさは自分からいつでも招き寄せることができます。アリガトウと言ってもらうにはドウゾという言葉が必要です。自分の中にある優しさを引き出す大事なキーワードです。ドウゾを持たせてやってください。
保育園の懇談会で,家での近況が話されました。ご飯を「食べさせて」と要求する。トイレでお尻を自分で拭かない。お母さん方は,どこも同じと安心したそうです。さらに,園長の言葉が重なりました。「大丈夫です。みんな保育園では1人でしてますから」。園ではできているのに,家では甘えてしない。場所に応じて,気持ちを切り替えているのです。大人でも家に帰ってくると,のんびり気を抜きたいですものね。気を抜かれる方はたまりませんね? でも,感謝されてますから!
★落書き★
融通が利かない人を杓子定規といいます。杓子とは湾曲した形をしたしゃもじのことです。そんなものを定規にしても,真っ直ぐな線は引けません。そこから,ルールなどにとらわれて,応用が利かない役に立たない人のことを,呼ぶようになりました。自分が持ち合わせている定規がどのような杓子であるか,他の定規と比べて確認しておかないと,いざというときに恥をかきます。子育ての定規は大丈夫ですか? しつけのために多少の体罰もありと,曲がったりしていませんか?
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