*** 子育ち12章 ***
 

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「第 71-10 章」


『子育ちは 昨日と今日が 明日向かう』


■子育ち12標準■

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『子育ち第10標準』

【将来を展望しよう?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第71版では,「子育ち」が獲得しなければならない必須の項目を,確認していきます。日々健やかに育っている子どもたちは,人間として豊かな能力と感性を備えていくことが期待されています。育ちのエネルギーは絶え間なく吹き出しているので,導きを誤ると不都合な育ちに向かう恐れがあります。友だちをいじめて喜ぶような子どもに育ってほしくはないはずです。親も本人も後悔しないように,12の必須の標準を再確認していきましょう。

《将来を展望しよう?》
 お菓子をもらうと,残さず全部食べてしまいます。後でと残しておくことはできません。お風呂に入っていると,ゆっくりと湯船につかっていられず,10数える間と言っても,急いで出ようとします。後先がなくて今しかないというのが子どもです。園で遊んでいるときも,おもちゃの取り合いが始まります。今遊ぶという思いがぶつかってしまうからです。順番に遊ぶという,今と後という時間の譲り合いができません。今を生きるのが子どもですが,後の時間を掴ませなければなりません。

 子どもは今できる範囲のことを見ています。だから,曲がり角から後先を考えずに飛び出していきます。物事がつながって起こる,こうすればこうなる,とつながっていることを弁えることが大事です。特に危険から身を守るため,痛い目に合わないように用心するには,先のことを想定する能力を身につけなければなりません。曲がり角の向こうが見えないから一旦止まって確かめようという用心,それは先を考える力です。順番を待てば,後で自分の番が巡ってくるという我慢ができます。

 親として,子どもが将来を展望することにどのように関わっていけばいいのでしょう。もう一人の子どもが物事の流れ,動きに気付くように,親が子どもの経験していることを説明してやることです。前にこうしてきたから今こうなっていると,つながりを意識させます。昨日の夜用意していたから,今朝は楽に出かけることができるといったことです。してきたことを言って聞かせなければ,気付かないままに過ぎていきます。家事などの段取りも,先を見越す力を育てる教材になります。



 誕生日のケーキに立てたロウソクの炎を吹き消せない子どもがいると聞きます。吹き消すには唇を窄めてフッーと空気を吐き出さなければなりませんが,唇を窄めることができずにハーッという風しか送れないというのです。普段の生活の場で,例えば熱い食材を冷ます経験をさせていないのです。至れり尽くせりの暮らしでは,子どもは能力を開花させることができません。育てるというのは,子どもが自分の力を発揮できる機会を十分に提供するということであり,それは家庭生活の中にあります。

★落書き★

 おべっかを言う人には用心した方がよいでしょうが,ところで,おべっかとは? 祭事や神事に際して,穢れをうつさないように炊事の火を別にする「別火」にさかのぼります。その別火を知らない人が調子よく「おべっか」と言ったことから,相手の機嫌をとろうとへつらう様子を表すようになったということです。人との関係だけではなく,あれやこれやのことが調子よく運んでいるときには,少し考え直してみることも必要でしょうか。


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