*** 子育ち12章 ***
 

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「第 71-13 章」


『子育ちは 人の機能を 開発し』


■子育ち12標準■

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『子育ち第13標準』

【機能を開発しよう?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第71版では,「子育ち」が獲得しなければならない必須の項目を,確認していきます。日々健やかに育っている子どもたちは,人間として豊かな能力と感性を備えていくことが期待されています。育ちのエネルギーは絶え間なく吹き出しているので,導きを誤ると不都合な育ちに向かう恐れがあります。友だちをいじめて喜ぶような子どもに育ってほしくはないはずです。親も本人も後悔しないように,12の必須の標準を再確認していきましょう。

《機能を開発しよう?》
 誕生した赤ちゃんは産声を上げます。父母から受け取った生きるという機能を,存分に発揮するという宣言です。誕生した命に備わっている人としての機能は,親をはじめとする周りの人との関わりに触発されて,発揮されていきます。生まれ出た環境に相応しい機能が開発されます。最初の機能が立って歩くことであり,次いで母の言葉を第1言語として身につけていくことです。ただ育てばいいというのではなく,言葉を操る機能を獲得した上で,人としての機能を身につけなければなりません。

 人として最も重要な機能は,自らを律することです。他者に操られないということです。操られているのは,人ではなく人の形をしているだけの人形です。もう一人の自分が自分を律するようになったとき,人間という機能が開発されます。幼い間は親が操ってやる必要がありますが,次第にもう一人の子どもに任せていくことが,しつけです。子どもを育てるのではなく,もう一人の子どもを育てると思っていないと,見当違いなしつけをして体罰や虐待に至ることになります。

 親として,子どもが機能を開発することにどのように関わっていけばいいのでしょう。もう一人の子どもを信頼して,子どもを共に見守るようにすることです。子育ての場でいわれる言葉として,「して見せて,言って聞かせて,させてみて,ほめてやらねば,人は動かじ」があります。ある行動ができたとき,できた子どもの行動をほめるのではなく,行動をさせたもう一人の子どもをほめることです。機能を差配しているのは,もう一人の子どもだからです。



 あしなが育英会が「父の日にお父さんはいない」とした作文集を発行していると,新聞のコラムにありました。「父の日はすごく憂鬱です。みんなが気をつかう。「あっ…」みたいな目で私を見ます。それが一番傷ついて,泣きそうになります」小6女子。見られている自分が嫌なのです。一方で,「父親に胸を張って「あなたの娘は,とてもいい娘になりましたよ」といえる娘になりたい」中2女子。いない父と気持ちがつながっていると,父の日が確かにあるのです。

 この号で,子育て羅針盤の第71版が完結します。次号から第72版に改まります。時々テレビのクイズ番組に出題されることがある四字熟語を選んで,子育てに結びつけて書いてみようと予定しています。言葉は知っているだけではなく使って初めて意義が発揮されるものです。4字熟語は2字熟語が対になっていて,そのつながりがベクトルとして向きを持っています。羅針盤という向きの機能に重ねることができるはずです。新たな挑戦です。

★落書き★

 約束という言葉があります。約とは,小さく縮めるという意味です。算数で約分という言葉がありました。束とは,縛るという意味で,したがって約束はもともと束ねるという意味でした。ところで,人を束ねるには,取り決めや言い回しが必要です。そこから,今の意味に移ってきました。約束を守ることによって,人が束になるようにまとまります。家族の結束,それはあれこれの約束がきちんと守られることによって達成されるとは思いますが,現実は守れないことが・・・?


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