*** 子育ち12章 ***
 

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「第 72-01 章」


『子育ちは 主になる自分 もうひとり』


■子育ち12熟語■

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『子育ち第1熟語』

【自主独立?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第72版では,「子育ち」が獲得しなければならない必須の項目を,漢字表現に託してみます。同じことを違った表現をすると,視点が動くことによって,隠れていた面が明らかになります。乱暴な子は元気な子,内気な子は考え深い子,落ち着かない子は好奇心旺盛な子,と表現すると違って見えてきます。どこまで視点を動かすことができるか分かりませんが,挑戦することが大事です。新たな12の指標盤を楽しんでください。

《自主独立?》
 子どもは好き勝手に生きています。寝るのも起きるのも食べるのも遊ぶのも,勝手気ままです。しかし,子どもにできることは限られています。自分勝手にはいかないことも出てきます。そこで泣きわめきます。思い通りにならない不安や怒りをむき出しにします。もしも,泣けば構ってもらえると学ぶと,勝手気ままは増長していくだけです。泣きわめいても何も変わらないとなれば,もう一人の子どもが自分の無力に気がつきます。そういうときに,人見知りも現れます。

 親は,わがままな子どもを家族の生活パタンに合わせていくようにしつけなければなりません。強制的にしつけるというより,もう一人の子どもにその方が快適であると思わせることができたら,自分から馴染んでいきます。言われてするのではなく,自分の意志でそうしようと決めるように仕向けます。しなさいという言い方はもう一人の子どもの決定権を奪っているので,しようかという言い方にすれば,そうしようと同意をする機会を与えることができます。

 親として,子どもが自主独立に向かって育っていくようにするためには,どのように関わっていけばいいのでしょう。もう一人の子どもが自分のことをできるだけ決めていくように仕向けることです。自主とは自分を主にするわがままではなく,もう一人の自分が主になって状況を考えるということです。自分の感情をもう一人の自分の理性で制御する能力を育ててやれば,子どもは独立できていきます。もう一人の子どもが育たないと,ムシャクシャして誰でもいいと蛮行に走ります。怖いですね。



 4年生男子の文章です。「毎日宿題をしたくない気がする。なんでかなあ。でも最後にはして行きます。なんでしたくないのかなあ。友達にも話したことがあります。でも,考えつきませんでした」。したくない気がする自分。でもしていくもう一人の自分。自分ともう一人の自分の間で,まだ話し合いがついていないようです。こういった葛藤を一つ一つ乗り越えていくことで,自主性が確かになっていきます。頭ごなしではなく,もう一人の子どもを支えてやってください。

★落書き★

 何らかの作業を進めているとき,大方のことができあがってくると「目鼻がついた」といいます。似顔絵を描いたり,人形を作ったりしているときには,目と鼻が重要になります。目と鼻を付けてしまえば,顔の表情はほぼ決まります。そこから,物事の大体のところが決まるという意味で,目鼻がつくといわれるようになりました。子育ての目鼻はいつまでにつくのでしょう。二十歳を越えた息子の不始末に,親が引き出される世の中です。手抜かりのないように,子育ちにつきあいましょう。


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