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「第 73-07 章」 |
『子育ちは 持てる能力 発揮して』
■子育ち12願語■
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『子育ち第7願語』
【発揮したい?】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第73版では,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの発露としての願っていることに寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという思いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと支援の手を伸ばすことができるでしょう。それは一方で,子育てをしている大人には,大人の出過ぎる願いを控えることにつながるはずです。子どもの願いという新たな12の指標盤を楽しんでください。
《発揮したい?》
子どもは好奇心旺盛です。道を歩いていると,縁取りに一段高くなっているブロックの上を歩こうとします。スーパーマーケットに連れて行くと,普段見慣れない商品に触りたがります。あれはなに,なぜ,どうしてと聞きたがります。少しじっとしていなさいと押さえ込まれても,すぐにごそごそと何かをしでかします。また,寝るときに本の読み聞かせをしていると,聞き慣れた同じ本でも,飽きずに読んでとせがみます。話を聞くという行為が楽しいからです。動くことがワクワクしています。
機能快という言葉があります。人は備わっている機能を発揮すると快感を味わうことができるというのです。走ることができるから走ると心地よい,話す機能が持てたから,話すことが快感になります。おもちゃや道具があると,それを上手に使いたいと思って,練習します。自転車に乗りたいという思いは,乗れるようになって機能を発揮したい,発揮できたら快感があるからです。以前聞いたことのある,「Yes I can」,私はできる! 子どもは自分の可能性を開拓して発揮しようと育っていきます。
親として,子どもが発揮したいという願いに向かって育つためには,どのように関わっていけばいいのでしょう。例えば,子どもが普段の暮らしの場でかなり自由にあれやこれやと行動ができるように,環境を準備しておくことです。子ども目線で子どもの周りの世界を安全に整えて,子どもの自由さを保ってやります。多少の乱雑さが生じることなど,ほんの少しの間だけなので,辛抱してみましょう。見るだけではなく,あらゆる機能を出し尽くせるような実践の機会を与えると,機能快を身につけることができます。
「叱られているのに、笑いながら『なに、むきになってるんですか〜』と大人をバカにした口調。この子達を育てた大人、日本社会、末恐ろしい」。「うちの子が宿題をしていたりして、LINEの既読できなかったりすると、『みぞおちを殴って気絶させられたいのか!!!』とキレてくる子がいます」。「うちの子は、何かわからないことがあると、『スマホで調べて』とスマホをさしだしてきます……」。「今時の子ども」で検索したサイトにあった声です。このまま育ち上がることはないとは思いますが,大人の本気が発揮されないと怖いです。
★落書き★
話し合いで解決すれば良いのですが,こじれてしまうとボイコットに。19世紀のアイルランドに,小作人から排斥された農場の支配人をしていた大尉がいました。大尉の名前はボイコット。その事例が一般語化して「排斥」「不買運動」という意味で用いられるようになったそうです。歴史に名を残すのは光栄なことなのですが,中には不名誉なケースもあるようです。あそこの家のお孫さんはおじいさんおばあさんを殺したと言われることになったら,皆悲しいことですね。そういう明日が来ないように頑張りましょう。
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