*** 子育ち12章 ***
 

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「第 73-08 章」


『子育ちは 育つ目標 体得し』


■子育ち12願語■

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『子育ち第8願語』

【喜ばせたい?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第73版では,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの発露としての願っていることに寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという思いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと支援の手を伸ばすことができるでしょう。それは一方で,子育てをしている大人には,大人の出過ぎる願いを控えることにつながるはずです。子どもの願いという新たな12の指標盤を楽しんでください。

《喜ばせたい?》
 夏・冬の休みに,おじいさんやおばあさんに会うために故郷帰りをします。「おじいちゃんは喜ぶかな?」と,お母さんに尋ねてきます。「大喜びをするよ」。子どもは笑顔で出迎えてくれるおじいちゃんの顔を想像してうれしそうです。ただ顔を見せるだけで喜んでもらえるという,自分の存在を誇らしく感じる一方で,おじいさんの優しさも受け取っていきます。離れているからこそ,生まれてくる気持ちの高まりによって,人が何に喜びを感じるのかに気付く大切な経験をしています。

 道を踏み違えている少年が,矯正施設で自分の生活を振り返る作文を書きました。そこに一つのキーワードが書かれていました。「これまで,自分は他人からアリガトウと言ってもらったことが無い」。逆の生活をしてきたことに気がついたのです。常に他人に向かってアリガトウと言う立場でしかなかったのです。脅して金を巻き上げて「アリガトナ」。人に何かをしてもらってばかり,喜ばせてもらうばかりです。ありがとうと言うしかない子どもは,奪うことしかできなくなります。

 親として,子どもが喜ばせたいという願いに向かって育つためには,どのように関わっていけばいいのでしょう。例えば,子どもにあれやこれや手伝ってもらい,「ありがとう」と必ず礼を言うことです。子どもは喜んで手伝うようになります。「手伝ってくれたから早くできたよ。ありがとう」。「助かったよ,ありがとう」と子どもの存在を頼りにしていけば,お母さんを喜ばせることができた感動を記憶していきます。手伝う際のどうぞ,プリーズという言葉は喜ばせるという意味なのです。どうぞがあるからありがとうが!



 毎年11月の第3日曜日,今年は11月18日は家族の日です。2007年に始まりました。その前後1週間は家族の週間とされています。家族の日を設けなければならないということが心配の種です。家族が失われつつあるということです。核家族という家族も形だけになってきて,内実が怪しくなって,殺傷事件が増えているという悲しい現実を突きつけられています。家族は同居するのではなく,お互いを支え合うという絆が結ばれていなければなりません。夫婦,親子がお互いにどうぞと喜ばせあっている状態です。

★落書き★

 嫌なことがあると,しなければならないことをサボりたくなります。サボるはさぼるとは書かないようです。そのはずで,フランス語のサボタージュが語源なのです。かつて厳しい職場環境であった時代の労働者が環境改善を求める戦術の一つで,故意に仕事を遅らせたり,過失に見せて機械を壊すことを言い,日本では転じて,怠けることを「サボタージュする」と言い,やがて略されて「サボる」となりました。相手を困らせて自分の辛い心情を訴えていたものが,ただ逃げるという風に変わっているようです。


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