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「第 75-06 章」 |
『子育ちは 心開いて 感じ合い』
■子育ち12発心■
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『子育ち第6発心』
【感じよう!】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第75版では,第73版,第74版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの最中に心から思わず湧き上がってくる言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる願いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが自然に発露する宣誓という新たな12の指標盤を楽しんでください。
《感じよう!》
気のない返事というのがあります。子どもは遊んでいるときに親から何か言われても,上の空の返事をしてしまいます。いわゆる,ちゃんと聞いていません。学校の授業でも,先生の話を聞き逃していくと,伝わらないことになります。文章を読むときに棒読みにして気持ちを入れないと,文意は伝わりません。コミュニケーションもボソボソではなく,熱意が大切です。熱心に話す聴くという行為は,言葉を媒介としてお互いに感じ合おうとすることなのです。
現在の情報社会で育っている若者の物事についての理解の仕方は,かなり自己的な片寄りがあるようです。自分と環境のつながりを無視して,情報世界にすがりついています。そこでの言葉は相手に伝えるために感覚を働かせてはいません。自分の言いたいことだけを言って,それがどのように伝わるかを感じようとしていません。直接顔を見て分かり合おうとする言葉を選んで,対話を楽しむようにすると,知恵を共有できるという感動を味わえるはずです。
子どもが「感じよう」という発心を育ちに組み込んでいけるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもの様子をしっかりと感じ取るようにして,それとなく寄り添っていきます。元気がなさそうと感じたら,優しい笑顔で問いかけてみるようにします。何か相談してきたら,なんとか手を打とうとすることは二の次にして,まずは,そうだったのと今の子どもを丸ごと受け入れることです。親の温もりを感じる喜びを人として学ぶことができます。
保護者が学校に無理を言っていくことがあるそうです。「うちの子が雨に濡れて学校から帰ってきたのは,先生が傘を持ってくるよう前もって言わなかったからだ」と言われるそうです。学校に送り込むのは親の責務です。自分の役割を自覚せずに,先生に押しつけている理不尽さを子どもが学んでいくとしたら,子どもの将来は危うくなります。学校は文字通りに学ぶところであって,身の回りの世話は家庭ですることです。その基本をしっかりとして見せてください。
★落書き★
小さなもの,小さな点々や突起などを表す言葉で,「ぽちぽち(ぽつぽつ)」の変化した言葉が,ぽちです。ご祝儀を贈るとき「わずかばかりですが」という習慣があるので,その習慣と,わずかなという「ポチ」が重なって,ご祝儀袋をポチ袋と言うようになったということです。名前にあやかっているのでしょうか,袋自体もわずかな紙を使って小さめの袋になっています。名は体を表すということでしょうが,もしポチ袋が大きな袋だったら,おかしいと感じるかもしれませんね。
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