*** 子育ち12章 ***
 

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「第 75-05 章」


『子育ちは 言葉の母乳 たっぷりと』


■子育ち12発心■

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『子育ち第5発心』

【話そう!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第75版では,第73版,第74版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの最中に心から思わず湧き上がってくる言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる願いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが自然に発露する宣誓という新たな12の指標盤を楽しんでください。

《話そう!》
 赤ちゃんは泣きます。泣くのが仕事といわれます。気持ちや願いを表現したいのですが,言葉を知りません。それでも,何かを訴えたくて,大声を発してしまいます。お母さんは分かってくれます。それでも,微妙なところが通じません。何とか理解して欲しいと,言葉を覚えようとします。聞き覚えた音を真似て自分の口で発して,周りの反応から言葉という音の意味を理解していきます。まんまやママや自分の名前を覚えて,もう一人の自分が誕生することになります。

 子どもはしつこく話しかけてきます。何? どうして? 誰? 自分の周りを分かりたくて,尋ねることがたくさんです。言葉を覚えると記憶することができます。絵本を読み聞かせると,子どもは繰り返し聞きたがります。個々の言葉がつながって情景を描くことができることを学んでいます。世界という広がりが言葉で理解できることに感動しています。言葉を話すことによって自分と周りの人が同じ認識を持ち合い分かり合えることができるようになっていきます。

 子どもが「話そう」という発心を育ちに組み込んでいけるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。昔の人が言っています。「女性がおしゃべりであるのは,子どもに言葉を教える先生だからである」と。フランスの母親は嫁入りする娘に言うそうです。「あなたに何もしてあげられないけど,美しい言葉だけはしつけたからね」と。ただの駄弁りではなく,きちんとした会話ができるように,普段の言葉遣いを大事にするようにしましょう。



 子どもたちの国語力が心配されています。教科書を含めて文章の意味を読み取れない子どもが目立ってきたということです。主語と述語の関係といった基本構造を理解できていない中高生が3割前後いることが分かったという調査もあります。単語だけで暮らしているような言語生活では,いわゆる文章を理解できるように育つことができないのは明らかです。叫びやつぶやきの言語生活ではなく,きちんと文章を話す環境を整えてやるべきです。

★落書き★

 かつての時刻の呼び方では,午後3時は「八つ時」と言っていました。朝食と夕食だけの時代であり,八つ時に間食を食べていたことから,その八つ時の間食を「お八つ」と呼んでいました。やがて,間食全般を指すようになっていきました。今では,八の字を使うと訳が分からないので,「おやつ」と平仮名書きになっています。ところで,漢字無しの平仮名だけの文章って,読みにくいですよね。「ふたえにまげてくびにかけるじゅず」とは?(かけるのは,てくび? くび?)


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