*** 子育ち12章 ***
 

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「第 75-09 章」


『子育ちは 堪える先に 道拓け』


■子育ち12発心■

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『子育ち第9発心』

【こらえよう!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第75版では,第73版,第74版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの最中に心から思わず湧き上がってくる言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる願いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが自然に発露する宣誓という新たな12の指標盤を楽しんでください。

《こらえよう!》
 生活のあれこれが手軽にすぐにできる豊かな社会になって,人は自らの中に生きづらさを背負わされるようになっています。レジで並んでいるとき,前の人がもたついているとイライラしています。スマホの応対が遅いといじめようとします。堪え性を無くしています。ことが思うように運ばないと,当たり散らすようになります。家庭生活で,親のペースが乱されると,子どもに当たってしまいます。子どもは,思うように運ばない人付き合いを避けて,気楽なネット世界に浸っていきます。

 自分のしたいことを今すぐにできるということが当たり前,すぐには無理とかどうなるか見通しが立たないとかの中途半端な状況は許せない,それでは,自分の命を大事に燃やすことはできなくなります。しなければならないことがある一方,他にしたいことがあるとき,自分の気持ちを堪えて,すべきことをしなければなりません。学校の授業でも,お手伝いでも,自分の堪え性の出番がたくさんあります。冗談でしょうが,夏休みの宿題を8月末まで残していた子どもが,成人して薬物依存になりやすいというデータがあるとか?

 子どもが「こらえよう」という発心を育ちに組み込んでいけるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。なるべく手間暇の掛かることを経験させます。大人がさっさとしてやることを控えて,覚束なくても子どもの手に任せてやります。我慢させることも,ことが思い通りのならない不快感を堪える経験になります。自分が堪える力を持っていないと,ことが進まないとき人を責めたり恨んだりするようになります。自分がどうにかできるのは自分だけしかいないのですから。



 5月らしくない暑い日が続いています。この時期身体が暑さに対処できる準備をしていないので,熱中症になりやすいということです。十分に気に掛けてやってください。普段から寒さ暑さを感じない環境で暮らしていると,大切な体温を逃さないとか,発汗して余分の熱を放散するといった体温調節の機能が衰えて,変化する環境に適応できなくなります。堪えて暮らすと自分の能力が高まって,環境への適応力が増加します。いわゆる強く生きていくことができます。生き方の可能性が広がっていきます。

★落書き★

 運動会シーズンです.人気の種目にリレー競技があります。フランスの古い時代に行われていた狩猟では,猟犬が獲物を追い出していました。もちろん犬にも体力の限界があるので,控えの猟犬が必要で,その犬を「リレース」と呼んでいました。その追いかけていく交替の形をリレーと言うようになったということです。競技の際には交替しながら追いかける形はあるようですが,追いかけられているはずの獲物はどこにいるのでしょう? 見えない獲物を追いかけている,そういうことにしておきましょう。


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