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「第 76-02 章」 |
『子育ちは あなたと共に 居たいから』
■子育ち12動心■
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『子育ち第2動心』
【他に寄り添う!】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第76版では,第75版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けて心を動かそうとしている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる衝動を12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが思わず向かっていかざるを得ないと心を震わす新たな12の指標盤を楽しんでください。
《他に寄り添う!》
親が望む子ども像の上位には,心中はどうか分かりませんが,思いやりのある子どもがあります。思いやりとは,他人の心情や境遇に心を配ることです。その人の身になって考えなさいとか,子どもは親から言われているでしょう。そう言われても,他人のことなど考えようもないと思ったりするはずです。一緒に暮らしている家族なら,思いやることができます。どうしてそれができるのでしょう。同じ経験を持ち,ことあるごとに自分の気持ちを言い合っているからです。
思いやりが可能な関係は,例えば,同じ釜の飯を食べた仲間です。あるいは,同じ目標に向かって協働作業に携わった仲間です。作業を共にするために交わすコミュニケーションを通して,物事に対する認識のパターンを理解し合います。自分と似ているとか,この点は違っているとか,相手の人となりが分かるから,相手の身になって考えることができます。そういう前提がない見ず知らずの人に対しては,自分だったらこんな時どう思うかと,自分の思いを相手に押しつけることしかできません。
子どもが「他に寄り添う」という動心を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。ごく当たり前に,親が寄り添ってみせることです。一緒に行動する中で,子どもがして欲しいことを言葉を添えながらしてやること,反対に親から子どもにして欲しいことを伝えてやることです。それぞれ相手のためを思うようにすれば,思いをきちんと受け取ることができるという経験を重ねさせてやります。他への気遣いが社会性の基盤になります。
人工知能研究者である黒川伊保子さんの著書が,評判になっています。特に,男性脳と女性脳という対比の説明は,新鮮な認識をもたらしてくれます。男性と女性が思いやるためには,お互いが同じであるということを認識するだけではなく,お互いの違いをきちんと理解して尊重し合うことです。そうでなければ,相手の身になることができません。どう違うのか,書店に足を運んでいただかないといけません。ここで書いてしまうと売り上げの邪魔になると,思いやるからです。
★落書き★
子どもの育ちに必要な地域のつながりをつくろうとしても,けんもほろろの環境が邪魔をします。雉の鳴き声がケン,ホロロということです。人の頼みを冷淡に断ることがなぜ「けんもほろろ」なのかというと,その鳴き声「ケン」が,思いやりがないという意味の「慳貪(けんどん)」,とげとげしい言い方の「けんつく」をイメージさせることからということだそうです。個性だけで共性が失われている今の時代だから,無い物ねだりで和を令すということなのでしょうか。
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