*** 子育ち12章 ***
 

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「第 76-03 章」


『子育ちは 安心できて 踏み出せる』


■子育ち12動心■

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『子育ち第3動心』

【自らを安んじる!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第76版では,第75版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けて心を動かそうとしている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる衝動を12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが思わず向かっていかざるを得ないと心を震わす新たな12の指標盤を楽しんでください。

《自らを安んじる!》
 親は子どもが育つことを願って,背中を押す働きかけをします。子育てです。育ちは子どもが自らを外に向かわせることであり,閉じこもっていては一歩を進めることができません。初めての世界に歩み出すためには,地図が必要です。地図を見るときに真っ先に知っていなければならないことは,今自分がいる現在地です。育ちにおいても,子どもは今の自分の居場所を自覚できなければ,外に向かって歩み出せなくて閉じこもることになります。居場所があるから,歩いてみようとなります。

 育ちの居場所とは,現在のままで安心していられるところです。ほっとするところです。具体的には家庭であり,さらに言えば母の懐です。母にぎゅっと抱きしめられたら,子どもは安心を受け取り,外に向けた動きをはじめていきます。家の中では,子ども部屋に追いやられて隔離されると,静かな中で寂しさという不安が訪れて落ち着かなくなります。親の姿が見えるリビングで過ごせば,自分の育ちに入っていくことができます。安心を感じたら,子ども自ら,自立に向けて歩んでいきます。

 子どもが「自らを安んじる」という動心を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。親という字の形は,木の上に立って見るという構成をしています。子どもを見るのですが,その見方が大事です。子どもが親に見張られていると感じていたら,親の目を怖れて安んじることができません。親に見守られていると信じることができたら,親に抱きしめられている感覚が安心の居場所になるはずです。育ちは疲れます,ほっとするところが必要です。



 夏休みがやってきます。子どもとのお付き合いがやってきます。大変だなと少しばかり悩まされるかもしれません。皆さんの大事な子どもたちのためにお願いいたします。子どもとの触れ合いを「わざわざ」でいいですから,作ってやってください。わざわざしてやることがありがたいことであり,大事にするということなのです。親なら当たり前のこと,それは子どものためにわざわざ構ってやることです。私のためにしてくれている,それはわざわざだから気付きます。但し押しつけないで。

★落書き★

 子どもができないことを,大人はそんなことはお茶の子さいさいと思って,追い立てていませんか。「お茶の子」とは茶菓子のことです。簡単に手に入るものの,腹にたまらないところから,物事が容易なことを意味するようになりました。「さいさい」は俗謡の囃子詞であり,言葉を調子づけるための語です。子どもと触れあうときは,子どもと同じ目線に合わせてみることを時々思い出してください。子どもが親に分かってもらえないと感じると,居場所が危うくなりますから。


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