*** 子育ち12章 ***
 

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「第 76-05 章」


『子育ちは 言葉で世界 理解する』


■子育ち12動心■

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『子育ち第5動心』

【自らを表す!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第76版では,第75版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けて心を動かそうとしている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる衝動を12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが思わず向かっていかざるを得ないと心を震わす新たな12の指標盤を楽しんでください。

《自らを表す!》
 自分を名前で表現できるもう一人の子どもが,環境のあれこれを名付けている言葉を覚えていきます。お腹が空いた,動いて疲れた,眠たいといった自分の状況を表現できるようになり,やがておやつが欲しい,遊びに行きたいといった自己都合の要求をするようになってきます。周りとのつながりの中で,自分を生かす上での必要な表現力を備えていきます。その環境のつながりは固定していず,常に変化しいます。こうするからこうなるという論理,道理が働いています。「どうして?」という問によって,理解しようとします。

 食べたいときに食べることはできません。食事の時間が決まっています。そこで,何時という時間という情報が理解できなければならなくなります。何歳と尋ねられて,自分は5歳と答えなければなりません。どこの子という住居表現も必要でしょう。あっという間に子どもは言葉という表現をたくさん覚えていきます。言葉により物事を理解することができて楽しいからです。同時に,何でもかんでもおしゃべりしていまいます。お母さんの内緒事もあっけなく漏らしてくれます。表現のTPOも弁えさせなければなりません。

 子どもが「自らを表す」という動心を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもの言葉の教え役は,古からお母さんでした。そのお母さんが多忙で,テレビやスマホなどが言葉の教えを担っています。それは最低限に止めるべきです。言葉は本来は交わすものです。子どもとお母さんが言葉を交わすことで,言葉が通じます。言葉は相手に伝えようとする配慮が必要なものですが,テレビは聞いてくれません。今の子どもの言葉遣いは独り言です。テレビと同じで誰に向けて言っているのか不明だからです。



 「叱らない育児」とやらに迷惑を被っている方が声をあげているそうです。遊びに来た子どもが散らかそうがあれこれ触りまくろうがやりたい放題の所業をしても,親は叱らないというので迷惑したというのです。叱らないを心掛けるあまり,他者への迷惑に対する気配りが失せています。物事には,適正な範囲や程というものがあります。他者が絡むような場合では,叱って止めさせるということが礼儀です。礼儀を無視して叱らないほうを優先させるのは,本末転倒です。何が大事かという基準を忘れないようにすべきです。

★落書き★

 お付き合いの中で,横紙破りな振る舞いをする方がいると,迷惑します。横紙とはどんな紙でしょう。既にお分かりのように,和紙です。和紙には漉き目があるので,縦に裂くのは簡単ですが,横にはうまく裂けません。漉いている映像を思い出すと,手前と向こうに動かして流し込んでいるので繊維は縦に並んでいきます。その和紙を横向きに力任せに引き裂いてしまうように,強引に自分の意のままに事を進める人のことを「横紙破り」というようになりました。


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