*** 子育ち12章 ***
 

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「第 76-12 章」


『子育ちは 寄り添う人と 学び合い』


■子育ち12動心■

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『子育ち第12動心』

【他を学び取る!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第76版では,第75版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けて心を動かそうとしている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる衝動を12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが思わず向かっていかざるを得ないと心を震わす新たな12の指標盤を楽しんでください。

《他を学び取る!》
 同じものを見ていても,その理解の深さに違いが表れるとき,目は節穴かと叱られます。どこを見ているのかと責められても,見えているものは変わりません。例えば,形を見ていることから色を見るというように見方を変えるということです。さらには,二つの目で見ると,奥行きが見えるということもあります。画面ばかり見ていると二次元の世界の情報でしかなく,現実の三次元の理解はできません。自分の目だけではなく,多くの人の目を集めると,物事は多面的に分かるようになります。それが皆で話し合う目標です。

 自分の経験したことは,自分だけという限界があります。他者の経験を共有すると,理解が広まり深まります。それが学びです。学びは真似る,まねぶ,まなぶと変化したものです。自分と他者の情報を合わせることで,知恵は精細に精確になっていきます。私たちが持っている知恵は,長い歴史の中に生きていた膨大な数の先人による経験を学び取り受け継いだものです。もちろん途中で,知恵は天才により改良されたり,発見されたり,学びのあらゆるプロセスを経てきました。他を学び取ることが,人の今を生きる力になります。

 子どもが「他を学び取る」という動心を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。親子で同じ経験をして,それを言葉で子どもに伝えてください。夏の夕方,いつまでも蒸し暑いわね,そう語りかけます。少し汗ばむ経験を蒸し暑いという表現で共有できることを学びます。しかし一方で,親と子どもの経験は違います。例えば,目線の高さが違うので,世界が違って見えています。父親に肩車されて見える世界を経験させる一方で,親が子ども目線になって見ること,してみてください。



 子どもに禁止のルールを教えるとき,いつもはダメだけど時々いい,という形は部分強化といって逆効果になるようです。いつもダメ,いつもいい,とはっきりさせることです。パチンコなどのギャンブルで,いつも勝ったりいつも負けたりすると飽きますが,時々勝つことで執着するようになります。子どもには時々いいということが理解できず,かえって執着を持たせてしまいます。しつけは一貫して分かりやすくすることです。一貫できないけど止めさせたいときは,ダメではなく,気を逸らしてやるようにすることです。

★落書き★

 出会う人の中には,何となく反りが合わない人がいるものです。もし親子の間であったら,マスコミで取り上げられるような悲しいことが起こりかねません。日本刀は真っ直ぐではなく,湾曲していて,反りといいます。刀自体が持つ反りと,鞘の曲がり方が合わないと,刀が納まらなくなります。そこから類推が進んで,人の相性について反りが合うとか合わないという言い方がされています。人付き合いでは,鞘になる方が反りを合わせてやるしかないようです。余裕を持つ方が穏やかでいられるようです。


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