*** 子育ち12章 ***
 

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「第 76-14 章」


『子育ちは あなたいるから わたしいる』


■子育ち12動心■

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『子育ち第14動心』

【自他を尊ぶ!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第76版では,第75版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けて心を動かそうとしている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる衝動を12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが思わず向かっていかざるを得ないと心を震わす新たな12の指標盤を楽しんでください。

《自他を尊ぶ!》
 人の振り見て我が振り直せ,と言われます。以前に,大人として恥ずかしい振る舞いがテレビ画面を賑わしました。あおり運転をして怒鳴りつけるというだけでなく,揚げ句は暴力に及ぶ破廉恥な挙動です。相手に対する尊敬の気持ちが全くありません。そんな大人の挙動を見て,育ち盛りの子どもは自分の振りを修正しなければなりません。同じ行為をするとどのように見られるのか,子ども自身が体験しています。他人をないがしろにすることの嫌らしさを避けるためには他者を自分と同じように尊ぶことと,学ぶことができます。

 学校教育では,学習者である生徒が受動的となってしまう授業を行うのではなく,能動的に学ぶことができるような授業を行う学習方法である,アクティブラーニングが持ち込まれています。子ども同士がお互いにそれぞれの学びを合わせて高めていくことになります。その基本は,お互いを信頼し尊敬することです。友だちを利用しようとしたり負かせたりすることではなく,助けられたり教わったりする大切なパートナーとして尊重する気持ちが大事になります。お互いに自分と同じ存在と信じることで,人としての学びも進みます。

 子どもが「自他を尊ぶ」という動心を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どものことや知り合いの人のことを話す際に,その言い方に気をつけます。誰しも気になる部分があるはずです。「○○さんはよく気がつく人だけど,言葉遣いが気になる」と言えば,悪いと言っていることになります。順序を逆にして,「○○さんは言葉遣いが気になるけど,よく気がつく人だ」と言えば,よい印象を持っていることになります。他者のよい所で言葉を結んでいると,お互いに尊ぶことができます。



 赤ちゃんは,なぜニコッと笑うのでしょう。笑いかけられると,かわいいと思って,優しく構ってやりたくなります。赤ちゃんは,それがねらいなのです。周りにいる人の手助けがなければ生きていけないので,廻りの手を招き寄せる本能の振る舞いであるとみなされています。人は社会の中で生きていくものであり,その社会はお互いに助け合うという営みによって成り立っています。社会から奪うという生き方をする人は,社会の癌になります。切除されることになります。自他を尊ぶのは,生きる条件でもあります。

 第76版は今号で完結です。次号からは第77版に引き継ぎます。大きな構成は変わりませんが,少しモデルチェンジを仕掛けようと思っています。スタンスとしては,人の振り見て我が振り直せです。一般的な至らなさに目を向けながら,皆さん方にはそうならないようにという願いをお届けします。これまで同様,温かい気持ちでお付き合いください。

★落書き★

 お祝いものをいただいたときに,結構なものをありがとうございますとお礼を申します。結構という言葉は,かつては,建造物の構造や,文章の構成を意味していました。全体の構造を組み立てることであり,念入りに組み立てられた建造物や文章は見事で,満足のゆくものであったので,そこから現在の「欠点のない」といった意味が生まれてきました。建物や文章に限ることなく,家庭や子育てや人生なども結構なものに仕上げたいものですね。そのためには,コツコツと手を抜くことなく念入りな作業が必然です。がんばりましょう。


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