*** 子育ち12章 ***
 

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「第 77-01 章」


『子育ちは 生きる自分を 楽しみに』


■子育ち12心算■

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『子育ち第1心算』

【強いつもりで弱いのが自尊 弱いつもりで強いのが慢心!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から考察しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視です。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると12の論点が生じ,これが羅針盤の針路構成となります。
 この第77版では,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けているはずの心づもりに寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる積もりを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちの育ちの現実に寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと重なっていくことでしょう。子どもがなんとかして向かっていこうとする心づもりを理解する新たな12の指標盤を楽しんでください。

《強いつもりで弱いのが自尊!》
 自分はここで生きていていいんだ,その基盤があってこそ,子どもは育っていく気になります。もう一人の自分が自分の存在を価値あるものと信じることができる,それが生きる力を引き出してくれます。逆に言えば,自分は生きていていいのだろうかと疑問を持ったり,自己否定をするようになってしまうと,生きる力は出てきません。いじめが怖いのは,この自尊心を無きものにするからです。世界的に見て日本の子どもたちの自尊心が低いという調査結果は,育ちの弱さを親に突きつけているのです。

《弱いつもりで強いのが慢心》
 何をやってもうまくいかない自分を,もう一人の自分は悔しくて認めることができません。そこで,本気を出せばできるはずと思いたくなります。そう思わなければ生きていけなくなります。なんでもできるはずが,やがてできる自分という慢心になります。育ちとしては,脇道に迷い込んでいる状況なので,行き止まりになります。今はうまくいかないことがあってもいい,できることだってある,そのような自分のありのままをもう一人の自分が認めるように,引き返すことができるように,導いてやることが急がれます。

 子どもが「自尊を目指し慢心に引き込まれない」という心算を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもは叱るのではなくて,ほめて育てるといわれますが,生きていてほしいんだよという語りかけで,育ちを応援することの勧めなのです。大人が育ちを焦って叱ってばかりでは,子どもにすればいない方がいいと言われているようなものです。今日の子どもをありのままに認めてやると,子どもは明日の育ちを楽しみにするようになり,生きていることを喜ぶようになります。



 ちゃんとしているつもりで,どこか抜けてしまうのが人の弱さです。その弱さを何とか乗り越えようとして生きていく健気さが救いです。自分の弱みが何であるかを的確に把握できていれば,手の打ちようがあります。幼い子どもの手に負えないものは,親がそれとなく手助けしてやることになります。同じことを繰り返さなければならないこともあるでしょう。親自身もつもりが意外とつもらないことは身に染みているはずです。この版では以降いろいろなつもりが出てきますので,一つずつ克服していってください。

★落書き★

 漢字のとりへんは,もともと尾の長い鳥を横から見た形を表す象形文字でした。この「鳥」の横線が一本取り除かれ「烏(カラス)」という文字ができました。ちゃんとした理由があります。カラスの色です。全身が真っ黒なので,眼を閉じると何処に眼があるのか分からなくなることから,鳥の眼を表す一本線がなくなったということです。文字を作った古の人たちの発想のいい加減さは楽しくなります。山道の上りと下りの境目だから「峠」という字というのも似たようなものです。


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