*** 子育ち12章 ***
 

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「第 77-06 章」


『子育ちは 皆と同じに 理解でき』


■子育ち12心算■

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『子育ち第6心算』

【広いつもりで狭いのが理解 狭いつもりで広いのが曲解!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から考察しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視です。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると12の論点が生じ,これが羅針盤の針路構成となります。
 この第77版では,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けているはずの心づもりに寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる積もりを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちの育ちの現実に寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと重なっていくことでしょう。子どもがなんとかして向かっていこうとする心づもりを理解する新たな12の指標盤を楽しんでください。

《広いつもりで狭いのが理解!》
 言葉を覚えるから人は知識を獲得することができました。図書館には膨大な知識が保存されています。ところで,どの本の言葉も1冊の本に全てまとめることができます。それは辞書です。辞書の言葉をどのようにつないでいくか,それで全ての本ができあがっています。言葉をどのようにつないでいけばいいのか,それが理解するということです。分かるために説明するという行動をするためには,知っている言葉をつなぐ能力が必須になります。そのつなぎ方が理解するということです。図書館の本と同じほどの理解があります。

《狭いつもりで広いのが曲解!》
 分からないことがあると,解きます。機械も分解すると仕組みが分かります。分かるとは分けることです。ところで,分けるにはそれなりの理屈や作法があります。ある装置の仕組みを理解しようとして,金槌で叩いて分けても分かりません。元に戻せるように,作ったときと同じ手順を逆に辿る必要があります。人の気持ちを理解するにも,自分の気持ちを無理に重ねて理解したつもりは曲解に逸れていきます。それが虐待やイジメにつながります。自分の都合を無意識に紛れ込ませる理解が曲解になります。思い込みです。

 子どもが「理解を目指し曲解に引き込まれない」という心算を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもがどうしてと尋ねてくる疑問にきちんと向き合うことです。そのためには,子どもに分かる程度の理屈を教えることです。例え話などがいいでしょう。理解の理はことわり,こうだからこうなるという理屈です。全ての物事は理に適っていることを教えます。自分の思惑を優先すると,うまくいかなくなったり壊れたりすることになるという経験からの学びも役に立ちます。



 小学生女子の算数での解答が話題になりました。最寄りの駅に朝8時50分に着かなければなりません。家から駅まで30分掛かります。家を何時に出たらいいでしょうかという問題に,8時15分と解答しました。当然×です。ところでまだ先があります。その子は,8時20分に出たらぎりぎりであわてるからと理由を書いていました。これをツイートした父親にたくさんの褒め言葉が届いたそうです。良い知恵を身につけている女児を,どのように評価してやりますか,親として?

★落書き★

 都を合わせる,都合とはどういう意味なのでしょう? 都にはすべてという意味があり,すべてを合わせる,つまり合計するというのがもともとの意味でした。ただ,世の中のことはすべて完璧とは行かずに,すべてを合わせてしまうと当然にさまざまな事情が生じてくるものです。そのため,事情や調整といった意味が生まれてきました。世の中はいろんな事情を含んでいるという実感を皆が共有したのでしょう。そういう世の中で健気に生きているお互いを大事に思い合いたいものですね。


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