*** 子育ち12章 ***
 

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「第 79-05 章」


『子育ちは 見過ごさないで 見届けて』


■子育ち12覚悟■

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『子育ち第5覚悟』

【感性を磨いて表現しよう!】

《まえがき》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な針路構成となります。
 この第79版では,子どもたちが育ちに向っていく上で持ってほしい覚悟について考えてみます。育ちたいという心積もりをどのような形で実践していけばいいのか,12の指標に整理をすることで,子どもたちの育ちの全体像を描いていきます。心豊かな子に育ってという親の願いに対して,子どもは自分はどうすればいいのと問いかけてきます。それなりに指導や助言をすることになりますが,それだけで十分か,他に言っておくことはなかったかと迷うことがあります。全体を見渡す指標として参考にしてください。

《感性を磨く!》
 五感とは、動物やヒトが外界を感知するための多種類の感覚機能のうち、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を指します。何となく見ているのではなくもう一人の自分が意識して観ること,聞き流しているのではなくもう一人の自分が聴き取ろうとすること,触れてみるのではなくもう一人の自分が触ろうとすること,激うまに溺れるのではなくもう一人の自分がじっくりと味わうこと,そういう感性の使い方をすることによって,生きるスキルが育まれてきます。小さな感動をすることができれば,豊かな生き方ができます。

《感性を表現する!》
 昔の写真や映像は白黒ですが,カラーになると表現力は格段にアップします。同じように,五感で感じたことをスゴイ,ヤバいの二つで表現するより,多様な言語で言い表すことができると,情報交換はより精緻になります。成長するとは,物事を表現する言語が増えていくということです。幼稚であることが語句の少なさにあることは明らかです。本を読んで面白くないのは,本に書かれている言葉をもう一人の自分が持っていないからです。言葉が分からないのでは,共感できるはずがありません。普段の表現量が肝心です。

《親としての関わりは?》
 子どもが「感性を磨いて表現しよう」という覚悟を持ち続けられるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもとの日常の会話を普通にすることです。 生活に密着した会話によって,言葉が現実の感性とつながって覚えられます。ゲームやテレビの虚像の世界の言葉は,現実世界の言葉であることが前提になっているはずですが,実際のゲーム中では「死ね,殺す」などの普段には使えない言葉が強烈に覚えられてしまいます。使ってはいけないことをきちんと感じさせておきましょう。


 大人になったらなりたい職業の1位は,男の子は「サッカー選手」,女の子は「食べ物屋さん」ということです。何が願いなのでしょうか? ところで,大人になったら最初に買いたいものというアンケートが発表されています。男の子,女の子とも「車」が1位でした。若い人の車離れが言われていますが,子どもにとっては車が大人の象徴なのでしょうか。女の子は2位以下はスマートフォン,洋服,家,アクセサリーであり,男の子では,ゲーム機,スマートフォン,家,パソコン・タブレットです。4位が家です。

★落書き★

 人となり,という言葉があります。隣の人の人柄と答えた学生がいるとか。「秋深き隣は何をする人ぞ」という芭蕉の句を連想したのでしょうか。秋深しではなく秋深きですよ。人となりは,「人+と+成る」の名詞形で,「人と成り」です。生まれつき・天性の意味です。因みに,先述の芭蕉の句を「隣にいる人のこともよく知らない,付き合い関係の薄さの意味で取り上げる人がいますが,それは逆です。芭蕉は,隣の人が気になってしようがないのです。無関心ではなく,関心を滲ませた表現であると覚えておいてください。


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