*** 子育ち12章 ***
 

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「第 80-02 章」


『子育ちは 自分考え 自我芽生え』


■子育ち12進路■

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『子育ち第2進路』

【考えるから,自我が育ちます!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
 この第80版では,子どもたちが育ちに向っていく上でより望ましい向きに育ちの歩みを踏み出す契機について考えてみます。ただ闇雲に育てばいいのではなく,育つべき道に沿って育っていくことができるように,親が子どもを12の指標に向かう出発点に導いてやることができるはずです。心豊かな子に育ってという親の願いに対して,子どもは自分はどうすればいいのと問いかけています。それなりに指導や助言をすることになりますが,それだけで十分か,他にしておくことはなかったかと迷うことがあります。全体を見渡す指標として参考にしてください。

《考える!》
 お腹が空きます。何か食べたいなと思います。思うだけではどうにもなりません。念力などは期待できません。冷蔵庫に何かあるかもしれないと考えます。そこで,行動が可能になります。あいにくとめぼしいものが見つかりません。また考えます。コンビニに買い物にでかければいい,でもそこではお金が必要です。ママにお小遣いをねだりに行こうとします。ところが,ママは簡単には財布を開いてくれそうもありません。そこで考えます。「ママ〜,お腹が空いた」と可愛く訴えます。
 打つ手がない,お手上げ,手詰まり,そうなるとどうしていいか分からなくなります。考えるという行為が壁に突き当たります。その状態がしばらく続くと悩みという固まりに凝縮していきます。誰かに相談をします。助言によって出口の手がかりが見えると,考えることが始まります。考えるためには,材料が必要です。実はその材料は結構身近にあるはずですし,身近になければ使えません。この使えるということが大事なのです。

《自我が育つ!》
 最近の子どもたちには応用力がないといわれます。紙を切るときに,ハサミが必要です。子どもはハサミがないから切れないといいます。実際は,紙を折りたたんで定規で切ることができます。定規は線を引いたり長さを測るという使用法以外に,紙を切るためにも使えるのです。これが最も身近な応用力です。ナイフがあればいい,ナイフはどんな形かを観察して見知っていれば,似た形のものが身近にないかを考えることができるということです。生活の工夫が考える育ちを促します。  周りの状況を推し量り,同時に自分の限界を見極めて,何ができるのかを考えるのは,もう一人の自分です。我思う故に我ありです。自分がこう言ったら相手はこう思うだろうと考える,自分と相手を相対視できるのは第三者の立場にいるもう一人の自分,すなわち自我です。思うのは自分,考えるのはもう一人の自分ということになります。考える機会をたくさん与えれば,それだけ頻繁にもう一人の子どもが活動できるようになります。もう一人の子どもが考えることで,自我が育っていきます。


 普段の雨は恵みですが,時に荒れると恨みに様変わりします。この拙いマガジンでつながっている方の中に被災された方が居られるかもしれないと思うと,心が痛みます。お見舞いを申し上げますとともに,遠くからできる支援を探してみます。
 新聞の投稿欄に,子どもの言葉に驚いたという高齢の女性の経験が載っていました。散歩途中の田んぼでカエルの鳴き声が聞こえてきたので姿を探していたら,その様子を小学1年生の男児が見ていたので,「カエルが鳴いているよ」と声を掛けたそうです。すると,「本物のカエルがこんなところにいるんですか」と予想外の返事が返ってきたというのです。実際のカエルを見たことがないと聞いて,驚いたということでした。

★落書き★

 子どもが学校で経験しているのが,勉強です。勉めて強いる,です。イヤでも無理矢理努力するという意味です。生きていくために,皆がイヤで苦しいのに無理に努力をして,勉め励んでいるのが勉強です。学習だけが勉強ではありませんでした。儲けを重視する商売の世界では,値引きを嫌がりますが,その心の苦しさを押し殺してマケルことを勉強しますといいます。これが語源通りの使い方です。誰が強いているのでしょう。もう一人の自分が自分に強いているので,逃れられません。自粛という我慢は何もしないことですが,勉強の我慢は何かをしなければなりません。


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