*** 子育ち12章 ***
 

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「第 81-04 章」


『子育ちは 目処が付くまで 二十年』


■子育て12心戒■

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『子育て第4心戒』

【子どもの世話を手抜きしないこと!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
 この第81版では,子どもたちの育てに関わっている親御さんが心得ておいた方がよい戒めを「心戒」として考えてみることにします。何となくなるように育てればいいというのではなく,あるべき育ちに沿っていくことができるように,親は子どもの育ちを見守りつつ支えてやらなければなりません。心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが時として過剰に子どもに向けられることがあります。子どもは今の自分ではどうすればいいのと問いかけています。子どもの育ちのペースに寄り添った親の支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,子どもの育ちを見極めて,それなりに指導や助言をすることになります。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。

《手間をかける余裕!》
 あるママのかすかな気づきがあります。2歳の娘さんが,教育テレビの『おかあさんといっしょ』のことをなぜか「おにいさんといっしょ」と言っています。ママがいくら訂正しても直りません。ママは考えました。確かにいつも一人で見てるから「お母さんと一緒」じゃないよね。悲しい気づきでした。テレビの前にぽつんと座って見入っている女児が,向こうの世界で楽しく歌い踊っているお兄さんとの一体感を持ってしまうのは自然です。そこに世話の手抜きが見えてきます。

 こちらの世界でもママと一緒に歌って踊れたら,お母さんと一緒と実感することができたでしょう。子どもにとって親からの世話とは,単に自分のできないことを助けてもらう,たとえば,食事の世話などだけではなく,誰かと一緒に何かができることを証明してもらうことも含まれます。お手伝いをすることで一緒にできた,ママと一緒に歌って遊ぶことができた,そんなことがうれしい世話なのです。

 ちゃんと,きちんと,さっさとできない子どもがいると,ママはかき回されます。無駄な抵抗は止めてあっさりと諦めることです。できるようになるまでは,引き受けてやらねば仕方がありません。子どもの世話はたいへんです。たいへんだから,子どもが育っていけます。動物の子どもは簡単に何の世話もなく育っていますが,そんな育ちをしているから結局は動物止まりです。人は繊細で超高級な動物です。精魂込めて世話をされるから,親が犠牲的に関わるから,人に育っていけます。

 6歳の娘さんの反撃をもう一つ紹介しておきましょう。ママに叱られた娘さんが,「おかあちゃんは何でいつもいつも怒ってばっかりなん?」というので,ママは「おかあちゃんは怒るのが仕事なんちゃ!」と答えました。すると,「会社、辞めぇ」と言い返されてしまいました。仕事をしているママは要らないという願いです。仕事で怒るということは,仕事で世話をしていることです。仕事で母業をしていることです。そんな母は嫌だと訴えています。

 お母さんとは,拠り所です。愛情関係です。親の役割という言い方をする場合があります。それは親という役目を果たすこと,仕事に類する責任というニュアンスがあります。親子とは役によって結びついているものではありません。母にとっては分身であり,我が身と同じ存在です。子どもにとって「お母さん」とは,全霊でつながっている唯一の味方です。単純に親であろうとしさえすれば,それで十分です。それなのに,子育ての責任者といった役目柄を装おうとするからぎごちなくなります。



 小学生の算数の問題です。48円のガムと32円の飴を買いました。100円出すとお釣りはいくらですか? ある子どもが「おつりってなんですか?」と質問したそうです。今時のカードでピッとする買い物をしていると,お釣りどころか100円のお金まで分からなくなってしまうでしょう。そもそも,支払いの計算などは器械がすることで,人がワザワザ頭を使う必要はありませんし,さらには財布も要らないのです。何の勉強が残っていくのでしょう?

★落書き★

 そこのフキンを取って,と母に言われて,ハイと手渡す子ども。そういうお手伝いができるといいですね。ところで,ふきんは布巾と書いていますが,布切れだと思っている人が多いのではないでしょうか。しかし,語源は「拭く+キン(巾)」で,湯桶読みのフクキンが変化して,フッキン→フキンとなった言葉です。布巾は当て字で,拭くという意味が見えなくなってしまっています。お手伝いの際に,きちんと教えておいてください。


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