『親越えて 欲しいと願う 親心』
■はじめに
特別号の2回目です。6歳まではアッという間にみるみる育っていきます。何もできなかった赤ちゃんが3歳になると,腕白,おしゃまな幼児に変貌します。伸び放題に育った子どもが,少しずつ形良く刈り込まれていく時期が3歳以降です。
子育てもきめ細やかさを求められるようになります。おまけに子どももすんなりと言うことを聞いてくれなくなっています。今までとは勝手が違ってきます。焦らずにじっくりと構えて,戦術を練り直してください。
と言っても,今日明日でがらっと変わるわけでもありません。子どもとのやりとりの中で,ママに自然に備わってくるものですから,心配する必要はありません。「これからはやり方が変わる」ということだけを気にかけていさえすれば大丈夫です。ママの陥る混乱は,今までどおりのやり方が通じなくなったことを予期していないことから生じます。
子どもと対決?するには,子どもをよく見ることです。敵を知ることが第一の作戦です。第二は同じくらいかちょっと上の子どもを近所に見つけることです。よその子,よその親子のやりとりは作戦指南書になります。子育ての教科書です。そのまま我が子に当てはまるかどうかは分かりませんが,いろんなやり方を知っていれば,臨機応変に我が子に応用することができます。
自分であれこれやり方を考え出すことは無理ですし,ほとんどが役に立ちません。それよりも,近所に実際例がいくらでも転がっています。もちろん失敗例もありますが,それは避ける参考例になります。実際に効果があるものを探し出すためには,少し手探りになることは覚悟しておいてくださいね。
【質問8-14(特別付録):3〜6歳児の子育てポイント?】
《「子育てポイント」という内容について,説明が必要ですね!》
*******【引用はじまり】*******
〇3歳児の世界?
●こんなことができるよ
子どもどうしでお相撲をする,砂場でいろんな遊びをする,頭を洗っても泣かない,名前を呼ばれるとちゃんと返事をする(3歳はじめごろ)。
紙飛行機を折る,お手伝いをする(食器運びなど),ひとりでおしっこができる,見聞きしたことを話す(3歳なかばごろ)。
●人とのかかわりの広がり
ままごとでいろいろな役割をする,お店やさんごっこをする(3歳はじめごろ)。
かくれんぼをする,友だちと順番にものをつかう,友だちに「かして」といえる(3歳なかばごろ)。
●反抗のまっさいちゅう
いや!,わざとわるいことをする(わるいことば,いじわる,ものを投げる,ぐずぐず)。
※今まで,生活のほとんどを親にたよっていた子どもも,自分の力でいろいろなことができるようになりました。「自分」という意識が生まれ,意欲や根気,がまんや思いやりの心が育ち始めるときです。反抗期と呼ばれるむずかしい時期ですが,親の接し方ひとつで,しっかりした心の土台ができあがります。(上の例は大体の目安と考えてください。個人差がありますから,これらの姿が出てこないこともあります)。
・・・して見せてやらせないとできるようにはなりませんよ。・・・
〇3歳児 育児の5ポイント?
●ポイント1 生活習慣をこれだけは
おしっこを自分一人でする,歯をみがき,口をすすぐなどの生活習慣はきちんとしつけておきたいものです。何でも自分でやりたがるときですから,時間がかかってもなるべく手伝わず,はげましながら見守りましょう。
●ポイント2 じょうずなほめかた,叱り方
3歳の頃は,行動の広がりにともなういたずらも多く,いうことをきかない,できるはずのことができないなどから,叱ることが多くなりがちです。意欲が育つときであり,ほめることを大切にし,もし,叱るにしても上手な叱り方を心がけてください。
「3歳児をほめるとき」:自分でやろうとしたとき,できたとき。いろいろなものに興味を示したとき。がまんができたとき。積み木,お絵かき,作るなどをやり終えたとき《きれいでなくても気にしないで》。
「じょうずな叱り方」:その場ですぐに,短く。何がいけないのかはっきりと。他人と比較したりせず。叱ったあとはさっぱりと。
●ポイント3 遊びの広がり
友だちと一緒のままごとやかくれんぼ,木の実集め,お絵かきなどが大好きです。砂遊びや水遊びに熱中し,運動も活発ですから,服をよごすことも多くなるでしょう。よごしながら成長しているのですから,あたたかく受け止めてあげてください。
楽しい遊びには1時間も2時間も熱中するようになります。食事や外出の時も,親のつごうだけを押しつけず,そろそろ,子どもの気持ちやつごうも考えてあげるときです。
●ポイント4 自我のめざめ・・・3歳期に育つ心
3歳期は,反抗期のまっさかりです。たしかに,「いやっ!」ということばや,いわれてもぐずぐずする,わざと反対のことをするなどの姿が目立ちようになります。反抗の背後には,[自分のしたいこと,したくないことがある],[自分の力でしたい,ここまでしたい],[始めたことは最後までしたい]という,人間として大切なこころの育ちがあるのです。これを自我のめざめといいます。せっかくのこの芽を,けっしてつみとらないでください。
●ポイント5 3歳児とのふれあい
3歳になっても,まだおんぶやだっこなどのスキンシップは時々は必要です。とくに,下に弟や妹が生まれたときなどは,かならずスキンシップに努めてください。お話や絵本を読んでもらうことが大好きですから,時にはひざの上で,時には眠る前に枕元で,お話や絵本の時間を持ちましょう。
・・・もう一人の子どもは生まれたばかりですから優しく。・・・
〇4,5歳児の世界?
●こんなこと大好き
片足けんけん,でんぐりかえし,経験したことを他の子に話す,ブランコの立ちのりができる(4歳はじめごろ)。
はさみで形を切り抜く,人,花,家,乗り物などを描く,自分の名前が読める(4歳なかばごろ)。
ジャングルジムの上までのぼる,網で蝶やバッタを捕まえる,数字を拾い読みする,自分の名前をひらがなで書く,自分の住所が正しくいえる(5歳ごろ)。
●人とのかかわりの広がり
友だちを家に誘ってくる,友だちと一緒になにかを作る(4歳はじめごろ)。
鬼ごっこをする,じゃんけんがわかる,「入れて」といって仲間に入る,友だちと競争する(4歳なかばごろ)。
お母さんに断って遊びにいく,友だちと協力してなにかを作る(5歳ごろ)。
※子どもらしさがまし,友だち遊びも活発です。時にはむずかしいことばを使ったりして,親をびっくりさせることもあります。ほとんどのお子さんは,幼稚園や保育所に通園していることでしょう。他のお子さんと見くらべる機会も多く,心配なこと,もっとこうあってほしいことも多くなりがちですが,大らかな気持ちでお子さんを見守るときです。通園を始めても親の役割がへることはありません。しっかりと,それぞれの役割をはたしてください。
・・・この時期はパパママの行動がじっと見られていますよ。・・・
〇4,5歳児 育児の5ポイント?
●ポイント1 生活習慣をこれだけは
排泄,睡眠,食事,清潔,衣服の着脱という基本的生活習慣は自信と意欲をもって家庭や園で生活するための基礎でもあり,幼児期にきちんと身につけておかないと大きくなってからはなかなか身につかないものです。きちんとできているか,もう一度チェックしてみましょう。
4〜5歳の間に身につけておきたい習慣としては
・生活のリズム(朝7時前には起きて,夜8時ごろには眠る)
・食事やおやつの時間(できるだけきまった時間に)
・あいさつ(両親,近所の人,先生)
・自分でできることは自分でする(かたづけ,ふとんをたたむ,着がえを出す,食べた食器をはこぶなど)
・安全のための習慣(信号機の見方,横断歩道で車を確かめてわたる,危険な場所に近づかない)
・順番や規則を守る
●ポイント2 お手伝い大好き
食器を台所にはこんだり,花の水やりをしたり・・・。お手伝いというより,大人と同じことをするのが大好きです。いまがお手伝い好きの子どもにする大チャンス。子どもにさせることでよけいに手間や時間がかかるとしてもどんどんさせて,「○○ちゃんがお手伝いしてくれて助かったよ」とほめてあげると,お手伝いを喜んでする子どもに成長します。
●ポイント3 お話聞いてよ
絵本を読んでもらうこと,お話をしてもらうことは,まだまだ大好きです。それとともに,園であったこと,友だちのことなどが話したくてたまりません。何でも疑問に思い,たずねたいときでもあります。
めんどうくさがらずに,一生けんめい聞いてあげてください。こたえにくい質問,わからない質問がでてきたら,いっしょに考えたり,時には図鑑などで調べてみるのもよいでしょう。
●ポイント4 いってらっしゃい,おかえりなさい
お子さんが通園するようになると,楽しいことだけではありません。あたたかくて明るい親と家庭の存在が,活動の意欲,つらいときのがんばりの原動力になります。安心して,元気いっぱい通園できるためには,次のことを心がけてください。
・明るくおくりだし,暖かくむかえる
・登園準備はゆったりと
・朝も,ちゃんとした食事を
・子どもの前では,夫婦の争いはさける
●ポイント5 まだまだ大切,親子の遊び
園から帰っても友だちと誘い合っての遊びが多くなり,呼んでもなかなか帰らないほど夢中です。でも,親子遊びもまだまだ十分しておきたい時期です。こんな親子遊びをおすすめします。
・キャッチボール(のまねごと) ・サッカー遊び ・おすもう ・木片とくぎを使って作る ・紙飛行機 ・折り紙 ・魚つり ・トランプ ・しりとり ・山登り
・・・幼児期の真っ最中ですから,手抜きは禁物です。・・・
〇入学前後のころ?
生まれたばかりの,無心なつぶらなひとみの,あのたよりなかった赤ちゃんももう小学生になるときを迎えました。いろいろなことがあったけど,ひとまず安心です。でもはたさなければならない親の役割はまだまだたくさんあります。
お子さんが小学生になっても元気よく安心して登校し,さらに成長していけるための準備が整っているかどうか,チェックしておきましょう。
□おしっこ,うんちがひとりでできる
□うんちのあと,自分でふける
□朝,ちゃんとうんちにいく
□朝,大体決まった時間に(7時ごろまでに)起きる
□夜,大体決まった時間に(8時前後には)寝る
□服を自分で着たりぬいだりできる
□食事前,お便所にいったあとに手を洗う
□鼻がでたら自分でかむ
□汗をかいたらハンカチでふく
□いろいろな種類の便器が使える
□はしで食事ができる
□こぼしたらひろう
□たいていの物は食べられる
□30〜40分以内で食事をおわることができる
□虫歯の治療をすませている
□信号機に従って道路をわたる
□道路をわたるときは横断歩道をわたる
□車を確かめてからわたる
□自分の物と人の物はちゃんと区別する
□自分の物を置く場所がわかる
□先生にていねいなことばづかいができる
□いわれなくても,禁止されていることはしない
□悪いと思ったらあやまる
□順番を守る
□自分の物を友だちに貸す
□約束したことは大体守る
□おこっても,手を出さず口で言える
□小学校までの道順がわかり一人でいける
□自分の名前,住所,電話番号がいえる
□自分の父親,母親の名前がいえる
□呼ばれたら「はい」と返事ができる
□困ったとき,病気のとき,先生にちゃんといえる
□ひらがなで,自分の名前の読み書きができる
□先生や友だちが話しているときはちゃんと聞ける
□絵本などに30分以上集中できる
できていましたか? もしできていなくても,あせらず,無理なく,少しずつ身につくようにしていきましょう。
・・・危険防止を優先してください。できた方がいいことは次に!。・・・
〇入学前後 育児の5ポイント?
●ポイント1 早く入学したいな
お子さんは小学校に入学することへの期待で胸がふくらんでいます。それとともに,どこか不安もあるものです。「どんな先生や友だちに会えるかな,きっとやさしい先生よ」,「いっぱい勉強ができて,いろんなことがわかるから楽しみだね」・・・。このような会話で期待を高めてあげましょう。
親子で小学校までの道をたどってみましょう。最初は親子いっしょに,そのあとは「今度は○○ちゃんが一人でいってみようか」と少しはなれてついていきましょう。小学校についたら,小学生の活動の様子を見学しておきましょう。
●ポイント2 勉強大好き
勉強はおもしろくないもの,つらいもの,あなた自身がこんなふうに思っていませんか。決してそんなことはありません。子どもにとって勉強はもともと楽しいものなのです。きらいになる理由は,わからないこと,おしつけられること,しかたなしにやることの3つです。勉強を楽しくさせるには,次のようなことに気をつけましょう。
・親自身が「知りたい」という姿をよく見せる
・叱らず,せめず,やさしく教えてあげる
・子どもが知ったことを,日常生活に生かしてあげる
・勉強や遊びの計画を子どもに立てさせる
●ポイント3 やる気いっぱい
子どものもっている可能性を精一杯引き出してあげたい,それができるかどうかは,もって生まれた能力以上に,お子さんの「やる気」にかかっています。
・押しつけるのではなく,「やってみたい」と感じさせる
・やったこと,身についたことをなにかに生かしてあげる
・達成可能な一歩一歩の目標を持たせる
・できないことを非難するよりも,やったことは結果にかかわらずほめる
・「自分の能力が低い」とは,絶対に思わせない
●ポイント4 物の豊かさのなかで
物の豊かさは,子どものこころを貧しくさせるといいます。物があふれる時代のなかで,こんなことを考えておきましょう。
・なくしたらさがす,こわしたらなおす
・「もう使えない」は「まだ使える」かもしれない
・もっと節約できるはず(シャワーは出しっぱなし,電気はつけっぱなし,紙は使いっぱなし・・・)
・使い捨てはもう卒業
●ポイント5 おもいやり・・・こんな言葉かけを大切に
思いやりは見せて育てるもの,親の態度で教えるものです。「○○ちゃん,お休みだったの。早くよくなるといいね」,「あの犬は,ぬれて寒くないかなあ」,「あとから取りにくる人がいて,ないと悲しいから,どんぐりを少し残しておこうね」などの声かけが大切です。
・・・まずママが純真な気持ちになってくださいね。・・・
*******【引用おわり】*******
《子育てポイントとは,ママ自身が育ち直すとしたら・・・なのです。》
○誰もが,もう一度若い時代に生まれ直すことができたらと思うような淡い悔いを抱いていることでしょう。子どもに託す夢とは,2度目の自分の人生なのです。あのときこうしておけばよかった,そのような轍を子どもには踏ませたくないと思うのが親心です。
一方で,自分の人生も必ずしもわるくはないという自負も持っているはずです。それを子どもに伝授するのが親の楽しい役目なのです。自分よりちょっぴりよい人生を与えるために,手助けできたらいいですね。欲張っては元も子もなくします。焦らず,諦めず,慌てずに,楽しくつきあいましょう。
【質問8-14(特別付録):3〜6歳児の子育てポイント?】
●答は?・・・もちろん,「
イエス」ですよね!?