*** 子育ち12章 ***
 

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「第 82-03 章」


『子育ちは 痛み悔しさ 親包み』


■子育て12心育■

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『子育て第3心育』

【子どもが平静になる心を育てましょう!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
 この第82版では,子どもたちの心の育ちがどのようなものかを,総括しておきます。つい日常の子育てに向き合っていると見逃しがちな目標を,再確認していただければと思っています。子育てという山道を歩んでいくとき,目の前だけを見ていないで,たまには目を転じて向かっている頂を確かめておくことが迷わないために必要なことです。何となく成るように育てればいいというのではなく,あるべき育ちに沿っていくことができるように,親は子どもの育ちを見守りつつ支えてやらなければなりません。心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが時として過剰に子どもに向けられることがあります。子どもは今の自分ではどうすればいいのと問いかけています。子どもの育ちのペースに寄り添った親の支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,子どもの育ちを見極めて,それなりに指導や助言をすることになります。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。

 《平静にさせる》
 お腹が空いていると,気持ちが不安定になります。お腹をいっぱいにすると,気持ちがゆったりとしてきます。同じように心が満たされないと,些細なことでキレることがあります。心が満たされていると,平静さがあふれてきます。子どもは,心をお母さんの愛情でいっぱいにしたいと願っています。優しいの優の字は人偏に憂いと書きます。迷いや憂いのある子どものそばにいてやる人,それが優しさの基本形です。「お母さん」という言葉は,子どもにとって最も頼りになる言葉ですので,しっかりと受け止めてやってください。子どもの気持ちは平静になれます。

 《表現させる》
 子どもは自分の気持ちを上手に扱うことはできません。そのことと加えて,自分の気持ちを上手に表現することができません。赤ちゃんの気持ちは単純なので泣き声で大方の見当が付くでしょうが,子どもになると複雑な気持ちになってくるので,詳しく聞き取る必要があります。時間を掛けて,ゆっくりと話をさせましょう。こうでしょうと決めつけずに,それで?と聞く姿勢を保てば,子どもは話してくれます。その際に,何を聞いても動じないという態度を装ってください。親がアタフタするところを見ると,子どもは話せなくなります。

 《安心させる》
 子どもはいろんな不安や恐れを感じます。大丈夫と抱きしめてもらえば,落ち着きます。たとえ親がそばにいなくても,親の笑顔に包まれていると思うことができれば,安心することができます。子どもが失敗して傷ついたときなど,母親は痛みを気遣い,父親は悔しさを労るという二重の包み込みをしてやれば十分です。親が不安などを聞いてくれるとき,分かってもらえるように話そうとすることによって,自分の気持ちを整理することができます。きちんと聞くことで,子どもに心をつかませることができて,安心させることができます。

 《積極性が育つ》
 気持ちが乱れていては,することが手に付かず,集中することができません。グズグズしていると見える状態です。気持ちが平静であると,態度が落ち着き,一心に物事に取り組むことができます。地に足が付いていると見える状態です。不安や悩みを抱え込んでいると,それに耐えることに集中して,気持ちは内向きになります。そんなときに,ただ闇雲に背中を押すことは子どもには辛いことになります。大丈夫というメッセージによって不安や悩みを吸い取って,気持ちを平静にしてやることが先です。親との温かいつながりが積極性を育てます。



 子どもの育つ場所は家庭です。家庭に根っこがあるから,学校や地域に伸びていくことができます。私はここにいていいんだと信じることができれば,家族,親から安心というエネルギーを得ることができます。外に出て多少の痛みを受けることに出会うことがあっても,家庭で癒やしがあれば,前向きな育ちに向かう気持ちを持続することができます。安全基地は休息,修復,整備の機能を持ちます。大丈夫,行ってらっしゃい。笑顔で送り出して!

★落書き★

 他人の人格や能力などを自分より劣ったものと考えて,馬鹿にして見下すことをサゲスムといいます。ネットの書き込みなどで誹謗中傷という炎上が起こる背景にも,サゲスム気分が見え隠れしています。語源は,大工さんの言葉からきているようです。家などを建てるとき,礎石や基板を定める時の「下げ+墨」という所作が語源です。墨縄を真っ直ぐに下げて,上から見下して,位置を見定めたことに由来しています。見下ろすことから軽蔑の意になりました。


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