*** 子育ち12章 ***
 

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「第 82-05 章」


『子育ちは 今為すべきを 弁えて』


■子育て12心育■

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『子育て第5心育』

【子どもが勤勉になる心を育てましょう!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
 この第82版では,子どもたちの心の育ちがどのようなものかを,総括しておきます。つい日常の子育てに向き合っていると見逃しがちな目標を,再確認していただければと思っています。子育てという山道を歩んでいくとき,目の前だけを見ていないで,たまには目を転じて向かっている頂を確かめておくことが迷わないために必要なことです。何となく成るように育てればいいというのではなく,あるべき育ちに沿っていくことができるように,親は子どもの育ちを見守りつつ支えてやらなければなりません。心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが時として過剰に子どもに向けられることがあります。子どもは今の自分ではどうすればいいのと問いかけています。子どもの育ちのペースに寄り添った親の支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,子どもの育ちを見極めて,それなりに指導や助言をすることになります。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。

 《勤勉にさせる》
 勤勉とは,「自分の都合で休んだりしないで,時間の限り一所懸命働くこと」と辞書にあります。反対語は「怠惰」です。暇つぶしにテレビを見たりゲームをしたりすることを控えます。生活が不規則になると,悪い育ちをすると言われます。長い休みの注意として,規則正しい生活をするように指導がされます。生活が夜型にシフトしてしまうのは,一所懸命に育ちに励んでいるのではなく,自分の都合で時間を浪費しようとしているせいです。受験勉強で夜遅くまで過ごしているのとは全く違っています。早寝早起きという生活を維持することが,子どもの育ちの条件なのです。

 《定めさせる》
 休みにこだわって考えると,一日の過ごし方という時間割を作らされているでしょう。大人は生活も仕事も時間に沿って動いています。時間割を持つことによって,人は流れていく時間を捕まえることができるからです。時間を長く捕まえようとすると,計画を立てなければなりません。工事などの作業では工程表に沿って,時間や月日を生かすことができます。無計画に事を進めていると,時間は素通りしていきます。休みの終わりに,失った時間の重さを後悔することになるという経験は,一度で終わりにしましょう。子どもに,時間割,計画を定めさせてください。

 《仕遂げさせる》
 時間割の役割は,行動を起こすスタートをきっちりとできることです。時間を失う最大の理由は,ことの始まりをつかみ損ねることなのです。ズルズルと後回しにする癖がつくようになります。次の課題はけりをつけることです。予定の時間が来たとき,きりのいいところまでやり遂げることです。時間が来たからと途中で放り出せば,次のステップの始まりが上手くつながりません。一応であっても何らかの形でやり遂げておくという経験を重ねると,自分のペースをつかむことができるようになり,実効的な計画を立てることができるようになります。

 《自発性が育つ》
 きちんと時間通りに始めることができて,一段落するところまでやり遂げようとすることによって,自発性が育ちます。時間が来たから止めてもいいけれども,きりのいいところまでやっておこう,その思いが湧いてくれば,それが自発性を育んでくれます。きりのいいところ,それを見極めるようにしているうちに,自分がしていることの全体のイメージを持つことができるようになります。昨日はここまでやった,今日はここから始めればいい。自分のやるべきことが明確に意識できるようになります。何をしているか自覚できないままであれば,自発性は育つことができません。



 暇さえあればゲームばっかり,それは勤勉とはいいません。遊びという楽しみに耽ることは,勉めていないからです。もう一人の自分が自分を勝手気ままに放任しています。ゲームをしてはいけないというのではなく,例えば時間を決めて楽しんでいるかということです。自分をきちんと管理できることが,人間としての素養になります。社会的な暮らしで求められる大切な能力でもあります。

★落書き★

 子どもの機嫌を取って,なだめたり,慰めたりすることを,スカスといいます。これは「スカ(透・空)+ス」で,これが「賺す」の語源です。「子どもをなだめスカス」などの賺すは,「他人の心に透きを入れる」という意です。何かの間から通して,向こうのものを見るとか,見えやすいように,少し空間を空けておく「透かす」と,人の心をスカスと,同じ語源なのです。問題は透かすところを誤ると,拗れることがあることです。ご用心を!


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