*** 子育ち12章 ***
 

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「第 83-13 章」


『子育ちは 親の育てに 導かれ』


■子育て12心権■

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『子育て第13心権』

【最善を選ぶ心権!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第83版では,子どもたちの心の育ちがどのようなものかを,総括しておきます。子どもは「育つ権利」があるとされています。それは生きる者としての身体的な育ちが必要であると同時に,人間としての心情的な育ちが十分に備わっていなければなりません。食べさせないといった身体的虐待は育つ権利の侵害であることは自明のことですが,無視するという心情的虐待が育つ権利の侵害になると気づかれ難い面があります。
 人として心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。子どもの育ちを見極めて,今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,育つ権利に相応しい指導や助言をしていただくことを願います。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。

 《信じている子ども》
 子どもは両親から命を受け継ぎます。命のつながりがあるから,子どもは両親を心底で信頼しています。目の前で起こる些細な行き違いから,信頼にひびが入りそうになることがあるかもしれません。そんなことはあり得ないと思いたいのですが,親子の間での不幸な出来事が現実に起こっている報道等を散見すると,絆の脆弱さを想定外のこととはできません。素晴らしい親子関係を築くことができたら,素敵な人間関係が社会を覆っていくはずです。信頼に満ちた関係を確実に育てることが親の社会的責任であり,そこから子どもは親子の幸せという最善な命を受け継ぐことができます。

 《育ちを支える義務》
 こどもを指導する権利が与えられている親は,その権利を最大限に活用する義務を担っています。だからといって,がんばりすぎないことです。過ぎたるは及ばざるがごとし,です。育つのは子どもですから,育ちを支えるだけでいいのです。どのような支えが必要であるのか,12の支えをまとめておきます。

 1.子どもに考えさせて選ばせて決めさせるようにしましょう。
   自分を客観視するもう一人の子どもが誕生してきます。

 2.家族とともに行動し自分と他者が同じであることに気付かせましょう。
   皆の中の自分を意識できるようになります。

 3.子どもと共にいることの喜びを温かく伝えましょう。
   子どもは望まれている存在と感じて安心するようになります。

 4.子どもなりに家族の生活にきちんと参画させましょう。
   信頼を基盤とする社会に前向きに向き合うようになります。

 5.子どもに美しい言葉で語りかけるようにしましょう。
   もう一人の子どもは言葉の母乳を吸収して知恵を獲得します。

 6.表現することで共感できる感動を体験させましょう。
   人とつながることによって生きる喜びがあることを知ります。

 7.できないことよりできていることを認めましょう。
   もう少しできるようになりたいという意欲が能力を伸ばします。

 8.皆のためになることをしたときはほめてやりましょう。
   喜んでもらえたといううれしさが優しい気持ちを育みます。

 9.弱さを見せる子どもをありのままに受け入れましょう。
   弱さは育ちの途上であると納得すれば育ちを続けられます。

 10.異年齢の子どもたちの中に入る機会を与えましょう。
   明日の自分の姿を見つけることで育ちの目標が見えてきます。

 11.子どもの失敗は育ちの芽であると考え大事にしましょう。
   失敗がもう一人の子どもを目覚めさせて反省をさせます。

 12.手助けをするのではなく側でしてみせるようにしましょう。
   真似る学びをすれば自分で挑戦できるようになります。

 以上12の項目は,この子育て羅針盤の根幹です。子育ちの局面ではいろいろな具体的な支えが現れるはずですが,それらはこの12の項目に分類することができます。この12項目は子育て・子育ちの基本であるということです。基本ですから,どれが欠けても困ります。すべて揃っていれば,健全な育ちになるはずです。子どもの育ちに必要なものをどれも欠けることなく,バランスよく提供することが,保護者の責務であることを忘れないことです。



 日本の子どもの自尊感情がとても低いということが言われています。自尊感情の一つの指標が「自分を好き」という自覚です。子供・若者白書によると,家庭や学校,インターネット空間,自分の部屋,地域などの内,自分の「居場所」と感じている数が多いほど,「今の自分が好きだ」と答える割合が高いそうです。調査を待つまでもなく,当たり前のことでしょう。すなわち,人とのつながりが多様であるほど,自分を尊いと自覚できるはずです。孤独は自尊を枯らします。

★落書き★

 熱い料理や飲み物が苦手な人が,猫舌だからと言い訳をします。実際にも,猫はかなりの猫舌です。ただし,猫に限ったことではなく,犬でも牛でも馬でも,動物はみな猫舌です。人間は食べ物を加熱して口に入れるが,自然界の動物にはそんな習慣はありません。人間以外には,熱いものは慣れないものなのです。ところで,猫の中にも例外がいて,飼い猫では子猫の頃から暖かいミルクなどを飲んでいて適応する習慣がついて,熱いものでも平気で食べる猫もいるそうです。


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