*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
4
「第 86-11 章」


『子育ちは 失敗するから 先が見え』


■子育ち12正負■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第11正負』

【失敗も成功につなげる!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第86版では,子どもが育っていく方向があるべき正しい場合と逆の負の場合をセットにして考察していきます。育ちの進み方はふらふらしますが,正しい向きであることを見守っておかないと,逆に逸れたままにしておくと,戻り損ねます。後悔しないために,見届ける際の参考にしてください。

【正の育ち:失敗も成功につなげる】

●人は想定外のことに出会ってしまうことがあります。とっさに取り繕おうとします。「魔法で願いを叶えてあげる」という杖を片手に笑顔いっぱいの4歳の娘に,母親が「ママのお肌をピチピチにして」とちょっぴり難しいお願いをしました。願いを聞いて困った顔の娘でしたが,「よし,わかった」と,呪文を言い終えた後,「これぬって」と自分のベビーローション貸してくれました。魔法で願いを叶えることはできないことは承知の上で,とにかく願いに応える方法を見つけ出したのは,共通の願いがあったせいでしょう。

○人はミスをするものです。ミスをしなくなるためには,どこでミスが起こるかを知っていて,気をつければいいのです。ミスをするから,次からはミスをしなくなります。それが育つということです。練習ということが目指すのは,ミスの可能性を洗いざらい明らかにして,対応力を備えていくことです。間違いをしないように努めるのではなく,同じ間違いを繰り返さないように心掛けること,それが健全な子育ちの道です。失敗しなければ育たないのです。

○苦労をした人に力が備わっています。苦労とはうまくいかなかった,間違った,しくじった,あらゆる挫折をくぐり抜けることをいいます。プロとはミスをしない人といわれますが,ミスをカバーする力を備えているので,ミスとして結果に残さないのです。何とかこなすことができると自分を信頼すること,それが自信です。もちろん,すべてのことができるほど人はオールマイティではありません。自分にできないことがあるという見極めができることも,失敗を招かないために大事なことです。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

【負の育ち:失敗をおそれて何もしない】

●失敗を恐れる理由は,自分の不甲斐なさに直面することです。叱られることが重なると,さらに嫌なものになります。そこで,受け止めずにはぐらかそうとします。おもらしが治らない5才の息子です。「がまんしたいのに,おしっこがいうことをきいてくれないの。だからぼくはわるくないの。おしっこがわるいの!」。何でも人のせいにするくせものは,自分の体にまでその言いぐさ! 将来が心配です,と親は心配しています。しくじりから逃げていては,育ちのチャンスを失います。

○したことがないことをするとき,できるかどうか分からないので,失敗の不安があります。失敗してはいけないというプレッシャーがあると,しないままにしようとします。その方が無難だからです。しかし,失敗をしないと,何が失敗なのか,失敗の結果はどういうことなのか,失敗そのものが分かりません。失敗を知っていると,失敗しかかっているという気付きが働き,修正することができます。間違いに早く気付くことが健全な感性なのです。ずれを感じることができないと,補正はできないのです。

○自分の能力の開発をするためには,試行錯誤というプロセスが不可欠です。やってみないと分からないのです。親は保護者と呼ばれています。その意味は,子どもが育ちに必要な試行錯誤をする中で受けるかもしれない危険や被害から守ることです。失敗しても大丈夫だから,たくさん失敗しなさい,それが保護者の立場なのです。ドンマイ,それは Don't mind ,失敗しても気にするなという意味です。子どもが失敗を恐れて何もしないのではなく,大人が失敗を恐れて何もさせなくなっていることが心配です。



 人は機能快という喜びを持っています。ドイツの心理学者カール・ビューラーが提唱しました。人間に本来備わっている機能を使うことが快感なのです。子どもが歩こうとするのは,歩くのが義務だからではなく,歩くのが快感だからというのです。逆に,その機能が発揮されない状態が続くと不満が鬱積し,心身は病むようになります。自分の中にある機能を開拓するためには,可能性に挑戦するという発掘作業が必要になります。はじめなければ,機能快はあり得ないのです。

★落書き★

 低くうなっている犬には誰でも近づこうとはしないでしょう。でも,尾を振っている犬には,喜んでいると誤解して近づいてしまうこともあるでしょう。尾を振っている犬は、かなり危険な状態の場合もあります。尾を腰より下で振っているる時は、それは喜びの表現に違いないが,腰より高い所で振っている場合は要注意です。かなり興奮している証拠なので、うっかり近づくとかみつかれることもあります。見分けてくださいね。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第86-10章に戻ります
「子育ち12章」:第86-12章に進みます