*** 子育ち12章 ***
 

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「第 87-05 章」


『子育ちは 伝わる言葉 記憶して』


■子育ち12基礎力■

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『子育ち第5基礎力』

【文脈力を身につけよう!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第87版では,子どもが育ちによって身につけていく能力の全体を考えていきます。人の育ちは複合的な能力を過不足無く獲得しなければなりません。もちろん特別な能力を伸ばすことも大事ですが,人間としての基礎的な能力が生きていく基盤になります。育ちのペースは子どもそれぞれに違いますが,成人までにはすべての力をそれなりに獲得できるように,側にいる大人がちゃんと導いておくようにしましょう。

●《意味》情報化の傾向の中では,何らかの情報を発信し受信する力が問われます。コミュニケーションをする力であり,人間関係にとっても大事な素養です。基本は,言葉を使うことであり,先ずは言葉を覚えなくてはなりません。幼児の覚えたての言葉がトンチンカンであるところに,言葉の本質が見えています。言葉には意味があり,使う場につながった意味を持つ言葉を選ばなければならないということです。関係の無い言葉は,意味不明となり,邪魔になるのです。覚えたての子どもの不適合は,見守っていて下さい。

●《背景》言葉は登場するところを選びます。場違いなところでは,言葉が恥をかきますし,場の空気を壊すことにもなります。それを言ってはお終いということがあります。場の空気を読めない間は,黙っていた方が無難です。初めての場に入ったときには,しばらくの間,話すことは控えて,周りの人の話を聞く方に集中します。その場の話の内容,話す人の関係などといった背景を見極めて,相応しい言葉を選んで,参加するという運びになります。輪に入る前に佇んでいる子どもは,背景を探索しているのです。

●《論理》単語発言という言葉を捨てる話し方を改める指導が必要です。単語や短い文章に馴染んでいると,深まりがなくなりますし,意味の曖昧さを埋めることができません。例えば,「机がある」という表現では,イメージが描けません。描いても,伝わりません。机と言っても,どんな机か,伝わらないからです。文を積み上げて文章を作り上げるという,論理的なつながりに沿った構造化が不可欠です。子どもに物語を読ませるということの意味は,言葉で情景を描く力を育てることなのです。

●《展開》独り言ならいざ知らず,人と言葉を交わしていると,話が思わない方向に展開していきます。発想の転換もあって,楽しく面白く,ためになります。三人寄れば文殊の知恵という故事があるように,持ち寄った論理が響き合って,新しい世界を開いていきます。そうだという合点,そうかなという疑念,違うという否定,出直しという変更,いろんな操作が絡むことによって,一人ではできない展開が可能になります。話していると楽しい,話す楽しさを子どもにしっかりと教えておいて下さい。

●《結論》結論を出すことに慎重になることです。子どもは「そんなことできない」とすぐにあきらめの結論を出す傾向があります。できないという結論を出す前に,することがあるのではないかと考える余裕を持つことです。考えるのが面倒だから,結論を出してしまうという逃げの姿勢は,自分自身の否定になります。結論は次ぎにつながるものでなければなりません。今日のところはこういうことで,それくらいのつもりでいた方が言葉の世界はゆったりしてくるでしょう。あなたはいつもそうだから,その結論を急がないで・・・。



 負うた子に教えられて浅瀬を渡る,という言葉があります。子どもと話していると,思いもよらないことを言われて,感心させられることがあります。大人は思い込みがありますが,子どもは素直に物事を見ているので,大人が見落としたもの,大人とは違ったものが見えることがあります。それが教わるということです。人はお互いに教え教わっています。大事なことは誰もが師であるという謙虚さです。そうすれば,自然に教える,教わることができます。教えることを考えてみましょう。

★落書き★

 夏になるとスイカです。西瓜と書きますが,中国の西にある中央アジアから伝わった瓜ということです。日本では南北朝時代に栽培され始め,当時は西瓜を中国人に倣って「シャアカ」と発音していました。時代を経るにつれて発音しやすい「スイカ」に変わってきました。江戸時代までの庶民には、赤い果肉が血肉に似ているからと,ポピュラーな食べ物ではなかったということです。


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