*** 子育ち12章 ***
 

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「第 87-09 章」


『子育ちは できると思い 楽しみで』


■子育ち12基礎力■

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『子育ち第9基礎力』

【楽天力を身につけよう!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第87版では,子どもが育ちによって身につけていく能力の全体を考えていきます。人の育ちは複合的な能力を過不足無く獲得しなければなりません。もちろん特別な能力を伸ばすことも大事ですが,人間としての基礎的な能力が生きていく基盤になります。育ちのペースは子どもそれぞれに違いますが,成人までにはすべての力をそれなりに獲得できるように,側にいる大人がちゃんと導いておくようにしましょう。

●《時機》何かをしようとして,なかなかうまくいかないことがあります。しようという気持ちが強いと,落ち込んでしまいます。できない自分が嫌になるかもしれません。一気に見限るのではなく,ちょっと落ち着いてみるようにします。子どもにはアドバイスが大事です。自分に目を向けるだけではなく,しようとしていることとの相性を見計らうのです。それは今することか,時期尚早ではないのか,今はいったん諦めておいたほうがいいのでは,先延ばしにするという選択も有り得るのです。

●《転換》何をしていても,壁に突き当たります。とても越えられそうもないと,臆病風に吹かれるかもしれません。たじろぐことは自然でいいのですが,ちょっと踏みとどまる勇気が分かれ道になります。越えられないのなら,方向転換して,回り込む手もあります。助けてもらうこともできます。何とか壁を通り抜ける道を探そうとジタバタしてみることがやる気です。壁に遭遇したら,いったん退いて,気分転換して,壁をじっくりと調べてみましょう。あれこれやり方を転換してみる,それを面白がれればいいのですが?

●《有望》するかしないかという分かれ道に立つことがあります。大方の結論は,しない方に傾きます。失敗したときの痛手の危惧,苦労があるという予感から,しない理由をあれこれ考え出そうとします。分かれ道では,すると決めて,どうすれば可能であるかに智慧を集めるようにした方が賢明です。「どうしようか?」という問は,否決されやすいのです。少しでも可能性があり,結果が望ましいものであれば,やってみようと思い定めるべきです。望みがあること,有望なことを目指すとき,人は育ちます。

●《前進》先行きに確信が持てず,いくらかの不安を抱えながら,進まざるを得ないことがあります。そこで足を止めずに,もうちょっとだけと,先に進んでみましょう。立つ位置が前に動くと,景色が変わってきます。それまで見えていなかったことが見えてくるようになり,状況が少しずつ明確になってきて,不安要素が消えていきます。展望が開けてくると,していることの確からしさも感じられるようになります。ちょっとだけ続けて前進する,それががんばるということです。

●《楽天》勉強でも遊びでも,何事かを成し遂げようとすると,うまくいかないこともあります。普通には,努力が足りないことが要因です。本気で事に当たったか,振り返ってみて,これ以上の努力は無理であると思えるなら,その先は天に任せるようにします。人の努力だけでは埋め合わせることのできないものがあります。そのことを気持ちの上で認めることが,楽天力です。昔の人は,それを神仏の計らいと考えていました。今風に言えば,人の限界を知る謙虚さです。



 人が生きていくということは,日々移り変わっていくことです。今日の自分は昨日の自分とは違う,その自覚をもつことが人を成長させます。先に歩んでいる年長者の後を追い,後から歩んでくる年少者を引っ張っていく,その関わりがあるから,人は明日に気持ちを寄せることができます。もしも同じ年代の人としか関わりを持っていなければ,明日という世界を見失い,今だけを生きるという停滞状態に嵌まります。異年齢の人とのつながりは,人生という広がりを認識する基本的な条件なのです。

★落書き★

 すき焼きは好みの具を入れて煮込むから好き焼きというのではありません。すきは農具の鋤のことです。鋤を火に炙ってよく焼いてから油を掛け,その上に三枚におろしたハマチを並べて焼くものでした。昔は獣肉は食べなかったので魚を焼いて食べていたのです。この鋤焼きが今のようなすき焼きになったのは明治の横浜が最初でした。


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