*** 子育ち12章 ***
 

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「第 87-10 章」


『子育ちは 人とつながり 育ちの緒』


■子育ち12基礎力■

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『子育ち第10基礎力』

【人脈力を身につけよう!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第87版では,子どもが育ちによって身につけていく能力の全体を考えていきます。人の育ちは複合的な能力を過不足無く獲得しなければなりません。もちろん特別な能力を伸ばすことも大事ですが,人間としての基礎的な能力が生きていく基盤になります。育ちのペースは子どもそれぞれに違いますが,成人までにはすべての力をそれなりに獲得できるように,側にいる大人がちゃんと導いておくようにしましょう。

●《同好》人は独りでは生きることができません。ところで,人のつながりは,同じところ,似たところがあるときに結ばれます。同じ家族,同じ年齢,同じ地域,同じチーム,同じ趣味など,何かが同じであることが気持ちの垣根を開いてくれます。一人ではない,仲間がいる,その思いが,社会へ導いてくれます。もしも同じであることを喜ぶことができないと,人付き合いが嫌いになります。個性を偏重する人は,人はどこかで同じであるという温もりを感じにくくなるかもしれません。

●《異能》子どもたちは同学年で輪切りに集められて,似た者同士の社会に閉じ込められています。ところが,似た者ばかりでは揺らぎがないので淀んでしまいます。いろんな面で分かり過ぎて,鏡の中に入るような感じになり,やがて苛ついてくるようになります。無作為に誰かを仲間はずれにして,「彼奴とは違う自分」を感じようとして,いじめに走ります。非社会的行動に逸れるのではなく,素直な気持ちで人を受け入れると,自分にはないものを持っている人に惹かれる気持ちが芽生えます。違う人とのつながりが精神平衡面で大切なのです。

●《互恵》人のお付き合いは,一般的には,双方に何らかのメリットがなければ続きません。メリットとはあからさまな損得だけではなく,つきあっていて楽しいとか,落ち着くとかの気分的なこともあります。お互いのメリット,互恵を今だけに限って考えると,人付き合いは行きずりになります。互恵関係は,今度は自分が得をするが,次には相手が得をする,その繰り返しで続いていきます。一方的に得だけをしようとすれば,友達はできません。人は皆お互い様なのです。

●《展開》人付き合いは変化することを弁えておかなければなりません。つきあうにつれて,良い関係に深まっていくこともあれば,なんだか変な方向に流れていくこともあります。人はいつまでも同じではありません。お互いから影響を受けたり,見えてくるものが増えてきたり,それぞれの環境が変わったりして,時と共に変わります。思い込まないようにしないと,つらいことになることがあります。お互いの変化を良い方向に見ようとする努力が求められます。物事は良くも悪くも時の流れに乗って変わっていくものです。

●《連鎖》人とつながると,結構面倒なことを背負い込むことになります。一人でいた方がどれだけ気楽でしょう。そんなことを思うときもあるでしょう。しかし,幸せは仕合わせと書いていたように,お互いに仕合うことなのです。人のつながりの中にいるから,幸せになることができます。親から子ども,子どもから孫へとつながる命の連鎖につながっている自分を,人は幸せと感じてきました。人脈の最も基本のものがそこにあります。自分の命は自分のもの,その意識からは幸せは見つからないことでしょう。



 生きていくためには,常にいろんなことを考えさせられます。どうすればいいのか,どうしてだろうか? 考えることを通して,人は日々学び続けて,成長をしていきます。昨日の自分と今日の自分は違います。特に子どもにとっては,成長が期待されているので,心身の育ちに向けて,学習をする必要があります。日々の暮らしの中で出会う課題を処理する経験を重ねていること,それが成長のための学習となります。学校ですることは学習のほんの一部でしかありません。生きていくことすべてが,学習なのです。

★落書き★

 イタリア料理に欠かせないマカロニは,はじめは中国人が作りました。それをイタリアへ持ち帰ったのが旅行家のマルコ・ポーロです。1270年頃の中国でこの食品を食べ,その美味しさに感心し,お土産として持ち帰り,法王ボニファティウ八世に献上しました。味見をした法王が「マ・カロニ」と叫んだということで,そのごマカロニと呼ばれるようになりました。イタリア語でマ・カロニは「おお,素晴らしい」の意味だそうです。


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