*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
4
「第 88-12 章」


『子育ちは 今の自分に 向き合って』


■子育ち12信条■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第12信条』

【可能なことに集中する!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第88版では,子どもが育ちによって身につけていく能力の具体的な形を考えていきます。人間としての複合的な能力を過不足無く獲得しなければなりません。もちろん個性的な能力の伸長は大事ですが,人間としての基礎的な能力のバランスが生きていく基盤になります。能力獲得のペースは子どもそれぞれに違いますが,成人までにはすべての力をそれなりに獲得できるように,側にいる大人がちゃんと導いておくようにしましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●したことがないことはできない。だから,体験が大事であると,子育ての現場で言われます。しかし,体験とは,したことがないことをすることです。「したことがないから」という言葉は,断る理由として通用させられています。それでは,成長は覚束ないでしょう。したことがなくても,似たようなことはしたことがあり,「できるかも」と思えば,そこに可能性が拓けます。その可能性に気持ちを集中して,ちょっとだけ新しいことに挑戦してみましょう。世界が広がっていくはずです。

●試験の際に,問題を読んで,すぐに「分からない」と諦めてしまう学生がいます。解答までの道筋が一目で見通せるようなものは問題ではありません。まずできることに取り組まなければなりません。少し進むと,状況が変わってきて,次は何ができるか見えてきて,その手順を繰り返していくうちに,自然に解答に導かれていきます。解決や成功という結果を急がないようにします。とりあえずできることから始める,そうすれば問題はほつれてきます。簡単にはできないことほど,できたときの喜びは大きくなります。

●とりあえずやってみるという取り組み型だけでは,いわゆる我流になります。奥の深い課題に対しては,きちんと習う,教わるということが必要です。学校で習う教科が1年生,2年生と積み上がっていくことと同じです。課題を細分化して,一段一段向上することを目指さなければなりません。例えば,掛け算ができるようになって割り算が理解できるのです。この教わるということは,学ぶ気持ちで臨まないと成り立たないことを忘れてはいけません。学校とは自らが学びに行く意欲を持つことで意味が出てくるのです。

●学びにおいて留意しておくことがあります。学びが頭による思考中心になると,知っていることが増えてきて,知っているからできるという錯覚に陥ることがあります。羽根を作って羽ばたけば,人も空を飛べると考えても,人の手は羽ばたく機能は備えていないことも知らなければなりません。思考には限界がありませんが,実践には限界が必然です。口では何とでも言えますが,実行は難しいというのが現実です。現実の厳しさの中での育ちでなければ,生きる力にはなりません。人は虚空間では生きられないのですから。

●未来のことばかり考えていませんか? お金持ちになったり,大好きな人と過ごしたり,今より良い成績になったりした時に,どんな素晴らしいことが起きるだろうと考えていませんか? それとも,過去に捕らわれていませんか? したことやしなかったことについて後悔していませんか? なぜ最も重要である「今」を生きないのですか? 「今現在」こそが,自分が本当に持っている全てであり,できる時間です。今を生きる最善の方法は,現在の行動に意識を集中させることです。1分でも無駄にしてはいけません。

●人がしていることはおよその所自分にもできるでしょう。ただ細部に及ぶと,もちろん才能という面で人それぞれに違いは出てくるはずです。自分なりに極めていけばいいのです。子どもは無限の可能性を持っているといわれますが,あらゆる可能性が開花するわけではありません。ほとんどの可能性を捨てて,一つの可能性を選ぶことになります。選択のためにいろんなことをかじってみるという無駄足も必要になります。無駄になるかもしれませんが,している時はいい加減な気持ちでは正しい選択に至らないので注意してください。



 食前30分ほど前に甘いものを食べていると,食欲が押さえ込まれます。満腹情報が誤作動するからです。育ちの欲求も,甘い環境に置かれると,抑制されてしまいます。その気のない子どもを励まし支援することはしても無駄になります。育ちたいという意欲が発揮されなければ,失敗する未熟さを反省して,学習に助けられて挑戦するという育ちの展開は始まりません。放任や虐待が育ちをねじ曲げることの他に,過保護が育ちを阻害することにも気をつけてください。

★落書き★

 男の子はと限ってはいけないのでしょうが,恐竜は人気があります。ステゴザウルス,チラノザウルスなど,サウルスという言葉がついています。これは恐竜がトカゲの仲間であり,ギリシャ語でトカゲをサウルスと言うからです。もう一つイグアノドンなど,名前にドンがつく恐竜もいます。恐竜の鋭く大きな歯に関係があり,ギリシャ語で歯をオドンといい,これがなまってドンになりました。化石で発掘されるのが歯だったからです。

「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第88-11章に戻ります
「子育ち12章」:第88-13章に進みます