*** 子育ち12章 ***
 

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「第 89-06 章」


『子育ちは 知恵の言葉を 摂取して』


■子育ち12情動■

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『子育ち第6情動』

【指導情動!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第89版では,情動知能について触れてみるつもりです。内省的知能と対人的知能,つまり自分自身を見つめる知能と,人と人との間の関わりに関する知能に分けられています。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応しています。人としての育ちの全体的なイメージを構成できる助けになればと願っています。

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《説明力》
 人はつながっていないと生きてはいけません。この世に生まれてくるためには,父と母のつながりが必要でした。命をつなぐためには,連れ添う人とのつながりが必要です。つながりは命の泉になるのです。そのつながりを産み育てるためには,意思の疎通が欠かせません。思いをきちんと伝える説得の力は,生きる力の大切な一つです。人は言葉を持っているから,分かり合うことができて,お互いにきちんと説明し合って,良い関係を結んできました。

○お子さんは,リーダーとして,みんなをまとめていくことが得意ですか?

 子どもは言葉を聞いて覚えていきます。言葉を手に入れるだけでは,使いこなすことはできません。言葉は使い慣れるというプロセスによって磨かれていきます。おしゃべりのときは,互いに分かり合うことを中心に話すので,言葉を選ぶことはしません。ところで,改まって人前で話をすることは,かなり難しいものです。ちゃんとした物言いをしなければならないからです。なるべくリーダーとして指導するという立場に立つようにすれば,きちんと説明する言葉遣いを経験していきます。人をまとめる基本は説明する力です。

○お子さんは,自分が見つけた良い方法を,みんなにすすめることができますか?

 勉強のできる子は,物事を筋道立って理解できます。そこで問題を解きほぐすことができるので,良い方法を見つける力も備わるようになります。筋道立つというのは,言葉をつないで正確に語ることができることです。イメージがクリアですから,みんなにすすめやすいのです。どう言えばいいのか分からないという状況は,自分でもはっきりと理解していないということですから,みんなにすすめる気にはなりません。昔から,友達に勉強を教えるというステップが学習の仕上げになるといわれてきました。

○お子さんは,みんなで相談するときには,まとめ役をすることが多いですか?

 それぞれの意見の要点を的確な言葉で整理し,共通な部分と相違の部分をみんなに提示し,折り合える状況を提案すること,それがまとめ役の仕事です。意見を言うことは割と簡単です。反対意見を言うことも簡単です。是非の決を取るのであれば,単純に多数決で済ますことができます。そうではなくて,まとめるということは,みんなが納得できる結論を導き出さなければなりませんし,それをするためには,片方に肩入れするようなことのない公平な表現を保つという信頼が求められます。



 テレビで見受けるクイズ番組に登場する方が,常識外れであることに驚かされますが,それをウリにしているのかもしれません。クイズは言葉を知っているか否かということで,言葉の力試しになります。言葉を知っているか否かで,思考力の差が生じます。日常会話では使わない言葉であっても,物事を考えるときには案外と使っているものです。書くことが苦手というとき,書き言葉の力が育っていないということであり,ひいては考えることが苦手となっているはずです。

★落書き★

 炊事をしているときに,熱いものに触れて「あちーっ」と感じたとき,指を耳たぶに持っていく仕草があります。実際,耳たぶの体温は,人間の体の中ではもっとも低いのです。なぜ低いのでしょう。体温は,筋肉や心臓,肝臓などで作られていますが,その熱は血液によって全身に運ばれます。ところが,体の表面,特に尖った部分からはいち早く熱が逃げてしまいます。指の先や,鼻の天辺,耳たぶなどの体温は低くなるのです。

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