『子育ちは 目指し続ける 明るい日』
■子育ち12情動■
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『子育ち第9情動』
【期待情動!】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第89版では,情動知能について触れてみるつもりです。内省的知能と対人的知能,つまり自分自身を見つめる知能と,人と人との間の関わりに関する知能に分けられています。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応しています。人としての育ちの全体的なイメージを構成できる助けになればと願っています。
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《楽天的信条》
日本が発展しているときにはモノ作りの力が勢いを持っていました。モノ作りとは,発展する新しい機能を支える工作技術力です。やったことがないからできませんというのではなく,なんとかなるだろうという信条に従うから,挑戦する勇気が出てきて,成功が手に入ります。子どもの育ちは常に初挑戦ですから,なんとかなると思っていなければ,育ちに向かうことができません。人ができるなら自分にもできるはず,それが学習であり,誰もやっていないから自分がしてみせる,それが生きることです。
○お子さんは,何かを始めるときには,うまくいくだろうと思っていますか?
子どもは何にでも手を出していきます。何にも考えていないと,大人は思います。考えるというのは,もう一人の子どもが理屈立てをすることです。ところで,子どもは理屈を持ち出そうにも,経験が少なく準備不足ですから,考えようがありません。考える力が付きすぎると,考えられないということが不安に転化して,臆病風に吹かれることになります。分からないから不安になるのです。子どもは経験して育つので,先のことは分からないままに,とりあえず始めてみるという歩みをした方がよいのです。
○お子さんは,失敗することを考えるより,先ずやってみようと思っていますか?
考える力は,できない理由を見つけるために使うものではありません。どうすればできるか,なんとかなる方法はないか,やってみることのために使うものです。考えることが苦手な子どもというのは,できない理由を考える癖が付いています。そこで,例えば,試験問題に向かうとき,分からないという自縄自縛に入り込んで,考えようとしません。物事はやっているうちに,次第に答が見つかってくるものです。全部を考えるのではなく,分からない部分を残しながら,少しだけ考えてみようとすればいいのです。
○お子さんは,今日うまくいかないことも,明日になればうまくいきそうだと思っていますか?
子どもはせっかちです。何かが欲しいと思ったら,今じゃなくては,と駄々をこねます。待つことを覚えなければなりません。そのためには,待てばよいことが実現するという経験を重ねることです。物事は時間と共に進展するという思い込みが,期待という育ちの推進力を生み出します。逆に,明日には悪くなると思えば,生きる活力は萎えていきます。夢に向かってという姿勢ですが,明日に期待できる物事を見つけておけば,楽しく育つことができます。今のままでは将来どうするの,と明日を脅かしては駄目です。
情報社会の中で,人はつながっているように感じています。仕事や趣味などの仲間ともつながっているようです。無縁社会や孤立死という行く末が見え始めているとき,そこが私たちの明日であると思うと,何か考え違いをしていると思わなければなりません。実のところ,今の私たちは,つながってはいないのです。仕事仲間や趣味仲間,それは仕事や趣味という紐でしかありません。絆というのは,共に生きている,生きるということ,暮らしの中で関わり合っているということです。果たして,親子で共に生きていますか?
★落書き★
馬の側に近づくと,思っている以上に,大きくて驚きます。馬の目は顔の両側についていて,人にたとえると耳のあたりに目があることになります。しかも,馬の目は陸上の哺乳類の中で最大を誇り,その視野は350度になります。頭の真後ろ以外はいつも見えています。肉食動物に狙われていたので,身を守るために,敵を早く見つけて逃げるために,眼が異常に大きく,脚が速く,発達したのです。
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