*** 子育ち12章 ***
 

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「第 89-10 章」


『子育ちは 心配りで 心見え』


■子育ち12情動■

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『子育ち第10情動』

【愛他情動!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第89版では,情動知能について触れてみるつもりです。内省的知能と対人的知能,つまり自分自身を見つめる知能と,人と人との間の関わりに関する知能に分けられています。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応しています。人としての育ちの全体的なイメージを構成できる助けになればと願っています。

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《敬愛》
 敬天愛人(けいてんあいじん)」という言葉は,西郷隆盛が好んでよく使い,揮毫した言葉として知られています。天を敬い人を愛するという意味です。世の中には思い通りにならないことがたくさんあります。それを自分の無力と考えると悩みになりますし,誰かほかの人のせいにすると恨みや妬みに苛まれます。天の采配だと思ってしまえば,よい諦めにたどり着きます。天の代わりに神仏を思い浮かべる方もおられるでしょう。その境地から,人は皆弱い者同士という同胞意識が生まれ,愛し合えるようになります。

○お子さんは,友達が元気がないときには,励ましてあげたいと思っていますか?

 このところ,安全安心や絆という言葉が頻繁に聞こえてきます。自分のまわりは安心できるところでしょうか? どういう状況であれば安心だと思うことができるのでしょう。人がお互いに気遣っていることを感じられるときです。我関せずという烏合の衆の中では,安心感よりも警戒感が勝ります。人はそれとなく共鳴しているので,こちらが気遣えばあちらも気遣いを示すようになります。元気がない友達を気遣って励ますことが,自分を安心させることになると信じてみませんか? 愛されたければ,愛することが先です。

○お子さんは,友達が嫌がることは言わないようにしていますか?

 ちょっとした意地悪のつもりが,相手にはいじめに感じられます。子どもは自分が相手からどう思われているかに敏感です。嫌なことを言われると,大人が思う以上に過敏に反応します。嫌なことを言わないようにしないと,思わぬ誤解を招きかねません。子どもが無造作に憎まれ口をたたくことがあったとき,その言葉が友達を傷つけることになることを教えておかなければなりません。もちろん,分かっていて嫌みを言うような根性が見えたら,早めに消しておくべきです。

○お子さんは,困っている人を見ると,何とかしてあげたいと思っていますか?

 人が難儀をしているときに,何とかしてあげたいと思うのは,人として当たり前のことです。その当たり前の思いを自覚させるためには,側にいる大人が「困っているようね」などと言って心配する気持ちを共有するように仕向けましょう。何とかしてあげたいという思いを実際に行動に移すには,ちょっとした勇気が必要ですが,自分にできることはないか考えるようにしたいですね。子ども同士であれば,手を貸してあげられることはすぐに思いつくでしょう。ドウゾと言う相手がいることの幸せは人を愛する喜びになるはずです。



 人は助け合って生きています。そのためには,生きる力を高めていく義務があります。一応できるという段階から,ちゃんとできる段階になれば自立しますが,人の分まで面倒を見るプロの能力がなければ助け合うことはできません。育つのは子どもだけではなく,大人になったとしても育ち続けなければなりません。その自覚がないと社会は生き辛いものに感じられることでしょう。できる力を開拓するためには,どのような手順を踏めばよいのか,再確認しておきましょう。

★落書き★

 香水の名品にシャネル5番があります。女性デザイナーのココ・シャネルが発売したものですが,なぜ5番なのでしょう。1921年,新しい香水を開発したとき,占い師に見てもらいました。彼女のラッキーナンバーは5ということで,新しい香水の発売日を5月5日に決め,ナンバー5のラベルを貼ったのです。1番から4番はもともとなかったのです。

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