*** 子育ち12章 ***
 

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「第 90-02 章」


『子育ちは 共に生きてる 人が居て』


■子育ち12課題■

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『子育ち第2課題』

【社会的に共存しよう!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第90版では,育ちの課題について述べてみるつもりです。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応して,もう一人の自分の育ちを考えて「主体的」という言葉を,また人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えて,「社会的」という言葉を冠します。

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《共存》
 子どもは人との関係を持つのが上手ではありません。大人でも大変ですから,当然です。母親は依存する対象ですから,自分の一部と感じて,他人とは思っていません。父親は,子どもと母親との仲を争う恋敵の関係になり,初めて自分にとって邪魔物になる他人という存在を認知します。他人は邪魔な存在という出会いが刷り込まれます。これでは仲良くという共存には向かいません。その思い込みを薄めていき,他人は善い人であると上書きしなければなりません。先ずは,父親は大事な仲間であると思い換えをさせましょう。

○お子さんは,映画やドラマの登場人物の気持ちが分かっていますか?

 物心ついたということは,もう一人の子どもが生まれてきたということです。そのもう一人の子どもは,自分と他者を第三者の立場で見ることができます。第三者は冷静な立場です。映画やドラマの中の登場人物を他者とみなして,自分と同じ思いを持っている存在だと知ることができます。主人公に自分を重ねても何の違和感もないという体験を,自然に受け入れてしまいます。同じ人であると思えば,一緒に生きていきたいと思うものです。同級,同窓,同郷と,どこか同じという接点が,人をつないでくれます。

○お子さんは,何事も相手の立場に立って考えるようにしていますか?

 もう一人の子どもは,相手の立場に自分を置いて,「自分だったらどうするか,どう思うか?」と考えることができます。どんな子どもに育ってほしいかという問に,思いやりのある子に,という答が多くあります。その思いやりとは,相手の思いを知ることが前提です。思いやりの前に,相手の思いを受けとめる「思いとり」が先です。人付き合いが上手く行かない理由の一つは,「我先に」という自分を優先する態度です。先ずは相手のことを思ってみる,そういう努力をするように仕向けましょう。

○お子さんは,人と一緒に,自分の長所・短所について話していますか?

 人との仲は浅いものから深いものまであります。あいさつを交わす程度の人,ただの遊び仲間,義理の付き合い,一緒にいたい人,愛する人と,段階があります。一方で,共存できる人とは信頼できる人であり,子どもにとっては親友と呼べる人です。お互いの長所と短所を知り合って,お互いをかばい補い合えるようになったら,親友です。自分のいいところを見せようとしている相手は,単なる友達づきあいに止まります。すべてではなくても,ちょっとは弱みを見せるようにした方が,よい友達ができやすいでしょう。



 保護者として学校に出かけることがあります。その際に,必ず徒歩でお出かけをするようにしましょう。間違っても,車は止めにしましょう。一年生がランドセルをしょって,雨の日も歩いて通っている学校です。大の大人が車でということは恥ずかしいことです。また,子どもと同じ行き帰りをすることで,子どもがどのような風景の中で育っているかを体感できます。車は途中の道筋の体感を奪います。また,歩きながら同じクラスの親ともお話しができるので,教室でおしゃべりしなくて済みます。

★落書き★

 お年玉や祝儀を入れる袋をポチ袋といいます。ポチは普通は犬の名前を連想しますが,まったく関係はありません。ポチは「ひとりぽっち」「これっぽっち」などの,「ぽっち」と同じです。もともとは「雨垂れがあけた小さな穴」を意味し,それが「点」を意味するように,やがて「小さい」「少ない」ことを指すようになりました。昔の人は「これっぽっちですが、喜んで頂けましたら」という心を込めてご祝儀を渡しました。袋ではなく,中身の金額がポチだったのです。

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