*** 子育ち12章 ***
 

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「第 90-13 章」


『子育ちは 今の育ちを しっかりと』


■子育ち12課題■

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『子育ち第13課題』

【総合因子群!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第90版では,育ちの課題について述べてみるつもりです。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応して,もう一人の自分の育ちを考えて「主体的」という言葉を,また人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えて,「社会的」という言葉を冠します。

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《総合》
子どもの成長過程においては、個人差はあるものの、多くの子どもに共通して見られる発達段階ごとの特徴がある。子どもは発達段階ごとに、視野を広げ、自己探求を深め、志を高めていくが、各発達段階における特徴を踏まえた成長をそれぞれの段階で達成することで、子どもの継続性ある望ましい発達が期待される。

(1)乳幼児期
○乳幼児期は、母親や父親など特定の大人との間に、愛着関係を形成する時期である。乳幼児は、愛情に基づく情緒的な絆による安心感や信頼感の中ではぐくまれながら、さらに複数の人とのかかわりを深め、興味・関心の対象を広げ、認知や情緒を発達させていく。また、身体の発達とともに、食事や排泄、衣服の着脱などの自立が可能になるとともに、食事や睡眠などの生活リズムが形成される時期でもある。
 さらに、幼児期には、周囲の人や物、自然などの環境とかかわり、全身で感じることにつながる体験を繰り返し有することで、徐々に、自らと違う他者の存在やその視点に気づきはじめていく。いわば、遊びなどによる体験活動を中心に、道徳性や社会性の原点を持つことになる時期である。
○これらを踏まえて、乳幼児期における子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられる。
 ・愛着の形成(人に対する基本的信頼感の獲得)
 ・基本的な生活習慣の形成
 ・道徳性や社会性の芽生えとなる遊びなどを通じた子ども同士の体験活動の充実

(2)学童期
(小学校低学年)
○小学校低学年の時期の子どもは、幼児期の特徴を残しながらも、「大人が『いけない』と言うことは、してはならない」といったように、大人の言うことを守る中で、善悪についての理解と判断ができるようになる。また、言語能力や認識力も高まり、自然等への関心が増える時期である。
○これらを踏まえて、小学校低学年の時期における子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられる。
 ・「人として、行ってはならないこと」についての知識と感性の涵養や、集団や社会のルールを守る態度など、善悪の判断や規範意識の基礎の形成
 ・自然や美しいものに感動する心などの育成(情操の涵養)
(小学校高学年)
○9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになる。対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。
 また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる一方、ギャングエイジとも言われるこの時期は、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られる。
○これらを踏まえて、小学校高学年の時期における子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられる。
 ・抽象的な思考への適応や他者の視点に対する理解
 ・自己肯定感の育成
 ・自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養
 ・集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成
 ・体験活動の実施など実社会への興味・関心を持つきっかけづくり

(3)青年前期(中学校)
○中学生になるこの時期は、思春期に入り、親や友達と異なる自分独自の内面の世界があることに気づきはじめるとともに、自意識と客観的事実との違いに悩み、様々な葛藤の中で、自らの生き方を模索しはじめる時期である。また、大人との関係よりも、友人関係に自らへの強い意味を見いだす。さらに、親に対する反抗期を迎えたり、親子のコミュニケーションが不足しがちな時期でもあり、思春期特有の課題が現れる。また、仲間同士の評価を強く意識する反面、他者との交流に消極的な傾向も見られる。性意識が高まり、異性への興味関心も高まる時期でもある。
○これらを踏まえて、青年前期の子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられる。
 ・人間としての生き方を踏まえ、自己を見つめ、向上を図るなど自己の在り方に関する思考
 ・社会の一員として自立した生活を営む力の育成
 ・法やきまりの意義の理解や公徳心の自覚

(4)青年中期(高等学校)
○親の保護のもとから、社会へ参画し貢献する、自立した大人となるための最終的な移行時期である。思春期の混乱から脱しつつ、大人の社会を展望するようになり、大人の社会でどのように生きるのかという課題に対して、真剣に模索する時期である。
○これらを踏まえて、青年中期の子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられる。
 ・人間としての在り方生き方を踏まえ、自らの生き方について考え、主体的な選択と進路の決定
 ・他者の善意や支えへの感謝の気持ちとそれにこたえること
 ・社会の一員としての自覚を持った行動



 日本の子どもの自尊心が他国の子どもに比べて低いといわれます。育っている環境,特に親子という環境が育ちには大きな影響があると考えると,見直しを迫られています。親の働きかけが筋違いになっていないか,何とかチェックすることを考えてみなければなりません。自尊心が低いという指摘はされますが,どうすればいいのか,教えてくれる人はいません。自分で考える,その挑戦が急務です。

★落書き★

 お弁当などの仕切りとして使われている緑色のギザギザした葉っぱのようなものは何かと問われたら,バランと答えられますね。おかずとおかずがくっついて色や味が混ざってしまわないようにするものです。普通はプラスチックでできた偽物の葉っぱのバランです。実は本物があります。本物は「ハラン」と呼ばれる葉蘭という葉っぱなのです。実は本物と偽物を区別するために偽物の方を「バラン」と呼ばれるようになったのです。

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