『子育ちは してあげるとき 幸せが』
■子育ち12幸育■
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『子育ち第8幸育』
【自らの行為を学び続ける限り幸福である】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第92版では,こどもが幸せに育つとはどういうことかを考えておきます。こどもには幸せであってほしいと願いますし,幸せになるために育ってほしいものです。何となく育っているのではなく,育つ喜びを発揮して欲しいのです。これまでの羅針盤がどこを目指しているのか、それは幸せであるということを確認しておきたいと思います。
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《幸福であるために》
人は何らかの行動をしています。自分のためにする趣味や娯楽は別にして,仕事をしています。仕事は必ず他者との関係の中にあります。そのために,多くの人は自分の存在価値を仕事に結びつけています。「いなければならない人である自分」という存在感です。仕事を通して他者とつながり,他者が生きることに関わり,他者に必要とされているという自負が基盤にあります。仕事とはそういう意味があると学んで,自分の存在を歓び,自分が幸せであると感じることができます。
子どもは仕事に関わっていません。勉強が仕事? 違います。他者とのつながりが希薄だからです。子どもが担うことのできる仕事,それは家族との生活に関わることです。自分がいなければならない存在であると子どもなりに認めることができるときに,経験として,幸せな自分を感じています。家族とはいえ他者のためにする行動が仕事であり,それが自分の幸せにつながってくるということを学ばせることが大事です。
《幸福になるために》
仕事,それは金を得るためにしなければならないこと,そういうことしか仕事から学んでいないならば,幸せとは無縁になります。仮に金を得たとしても,それだけのことです。いい仕事をする覚悟というものがあります。最近話題になっている偽装表示のようないい加減な手抜きのごまかし仕事でないことは自明のことです。それなのに分別のあるはずの大人がやってしまうのは,学びを自分の糧に取り込んでいないからです。いい仕事とは,喜んでもらうことを目的として,自分の誇りを込める覚悟でなされるものです。
人がしたがらないことをすすんでするようにという教えがあります。汚れ仕事は誰もしたがりません。自分がしたくないことを代わってしている人がいたら,有り難いと感謝するでしょう。その思いを感じることができたら,仕事は感謝に結びついているという学びになります。子どもにとって,いつも自分のために家事という仕事をしてくれている母親に感謝する機会を持たせる必要があります。また,気まぐれに掃除をしてくれた子どもに,有難うという感謝の言葉をきちんと伝えるようにしてください。
マスコミ報道という情報を受けて,子どもは世間の大人の姿,将来の自分の姿を学び取っています。ところが,偽装表示やコンビニ強盗,贈収賄や飲酒運転,殺人など,世間は悪い大人だらけのように思い込まされています。一方で,タレントの浮かれた姿が蔓延し,呑気に生きている大人もいると勘違いしています。本当の大人は子どもの側にいる親たちです。四六時中という無理は言いませんが,なるべく意識して,大人の本物の姿を見せてやってください。お父さん・お母さんのようになりたいと思ってもらいたくありませんか?
★落書き★
普段はあまり目を向けることはないでしょうが,通りに並んでいる電柱と電線をみてください。電線は少し弛んでいます。ピンと真っ直ぐ張っておいた方が短くて経済的だと思ってしまいます。長さを間違えて緩くなっているのではありません。わざと緩く弛ませているのです。太めのロープを両手で伸ばして持って見ます。ピンと張って持つには力が要ります。弛ませた方が楽です。電柱の負荷を考えて緩く貼っているのです。子育ても少し緩くしてみませんか。
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