*** 子育ち12章 ***
 

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「第 94-04 章」


『子育ちは 確かな間 持つ人に』


■子育ち12態様■

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『子育ち第4態様』

【子育ちは,信頼できる関係を作って進んでいく】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第94版では,こどもが育っている態様を説明しようとするとどうなるかを考えます。こどもには健全に育っていってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているように見えても,生きる喜びを掴まえられる脳力を身につけて欲しいのです。健全な育ちを実現する羅針盤として具体的な育ちの全方位を見届けることができるように確認していただけたらと思います。

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《何処で育つのか?》
 南米のペルーで黄金の遺物の発掘が行われ,化学分析などの調査のために現地から都市に持ち出そうとしました。ところが,これを住民が拒否します。政府の仕事であるから,リスト化するだけであるとか,その内容をどのように説得しても,信用してくれません。ついに窮まって,学者が「自分は侍の子である」と叫びました。それを聞いて,住民は,ペールの都市ではなく,「日本に持って行け」と言ってくれました。信頼されるということは,代々受け継ぐ伝統に依る生き方を守っているかということと関係しているのです。
 人間=人の間? 人は「ある特定の人と日常的につながっている」ことによって,「人間」で居られます。万遍なく多くの人とつながっていても,それは人間関係ではなく,つながっていないのです。ある日突然に些細なことを発端に,簡単に別離が訪れます。つながりを維持するために,いつも面白く,おかしく付き合っていなければなりません。それは疲れるつながりです。腐れ縁という簡単には切れない関係,何もなくともつながっていられる関係,親子,親友,夫婦,同郷といったつながりが大切です。

 同じ年頃の子どもと遊べない子どもがいます。家庭では,親,兄姉など,かばってくれて分ってくれる人たちに包まれています。ことさら自己表現をしなくても済んでいます。そこで,同じ世代の子どもたちの中での自分が見極められずに,自己表現の技術が育ちません。分かってくれないのを人のせいにすることになります。自己表現とは相手に受入れられる形でなくてはなりません。そのために,他人の言葉や行動に現れる考え方,気持の多様性を読取れないと孤立化するのです。
 いじめは昔のいじめと違っています。また,対応の仕方が,後始末をどうするかにシフトしてしまっています。いじめの形は,徒党を組んで強者になり,孤立化している弱者を標的にします。子ども社会の構造としての帰結なので,ガス抜きが必要です。対応は,複数の信頼できるつながりを持たせて,多層化することです。
  (1)グループを作れ。相談できる兄,姉を作れ
  (2)NOと言える練習を,死より登校拒否をさせよ
  (3)いじめっ子にこそ対応を(いじめと考えていない)
  (4)バイパスを作れ(家でのイライラを学校に出している:心の容量は有限)

 信頼できる関係の中味をはっきりしておかなければなりません。仲良く遊ぶ友達ではありません。「学習+遊び+労働」の三点セットが織り込まれているつながりが,子どもには必要です。共に学び,共に働き,共に遊ぶ,生きる局面を共にできる仲間です。特に労働の場としての家庭や地域が機能衰退しているので,意図的にネットワークの構築が図られなければなりません。大人たちに,「隣人の名前,子どもの友人の名前,三人以上挙げられるか?」と自問自答してもらい,家族ぐるみという斜めのつながりをつくってもらえれば,子どもたちは,自らのつながりを確認し,存在感を高めることができることでしょう。信頼関係の基盤づくりは,大人の義務なのです。



《何時育つのか?》
 授業中の私語や居眠りが,学習の邪魔をします。大人しく話を聞くことが授業の前提です。ところが,聞く心得・態勢が疎かになっている子どもたちが居ます。耳に音が入っても素通りして聞き取っていないのです。ながらテレビなどに馴染んでしまい,話しを聞き取らなければならない場が不足しています。このことは裏返すと,話しを聞かせる技術,訓練が出来ていないということで,例えば,異性を口説くことが下手ということになっていきます。喋りは出来るが,しゃれた会話は出来ないという悩みになります。

★落書き★

 生物が生きる目的は,子孫を残すためであるという考え方があります。人は赤ちゃんを授かってから出産するまでの妊娠期間は十月十日ですが,哺乳類で最も長く妊娠している動物は何でしょう? 動物の妊娠期間は体の大きさに比例する傾向があるそうです。ラットなどの小動物では数日から数ヶ月の比較的短い妊娠期間で出産に至ります。体が大きいというと象で,妊娠期間は平均して22か月,およそ2年間もの間,お腹に赤ちゃんがいる状態で過ごします。

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