*** 子育ち12章 ***
 

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「第 94-07 章」


『子育ちは 能力使う 喜びも』


■子育ち12態様■

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『子育ち第7態様』

【子育ちは,能力を使い切ることで伸ばしていく】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第94版では,こどもが育っている態様を説明しようとするとどうなるかを考えます。こどもには健全に育っていってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているように見えても,生きる喜びを掴まえられる脳力を身につけて欲しいのです。健全な育ちを実現する羅針盤として具体的な育ちの全方位を見届けることができるように確認していただけたらと思います。

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《何が育つのか?》
 人の能力は,蓋を開ければパッと出てくるような出来上がっているものではありません。可能性という種があるだけで,外部との関わりからいろんなものを取り込んで育てていくものです。能力はあるものではなく自ら創造するものです。中学の部活で試合に負けた生徒が,相手校の体育館が大きく充実しており,十分練習できるから勝つのが当たり前,自分たちは負けて当たり前と言います。設備などの大きさ,多さといった目に見えるものでしか判断していません。自分の力をぎりぎり使っているか,それが練習という育ちです。

 力は傾きの上にあります。例えば,金の力は,金持ちと貧乏の間に現れます。金持ちは金を使ってこそ力が発揮できます。金を貯めるだけでは守銭奴であり,金の力を無駄にします。知力も競争試験のためにと自分のものとすれば,力ではありません。知恵は流通させてこそ意味があるからです。学力は,人に教えるというプロセスを経て,本当の力になります。能力を使うという形が現れるのは,能力の差があるときに,高能力から低能力に作用が伝えられるときです。できることがあれば,出し惜しみしないで力を貸すことです。

 かわいい子犬がいると,飼いたいと思います。親におねだりします。ちゃんと世話をするからと,必ず言います。親は,飼う理由として,家族の一員として,情操教育に,優しさを育む伝手に,さらには世話の忍耐をしつけることもできるといったことを思いつき,許可します。その後,子どもはクラブで多忙,興味も移って行き,結局親に世話が押しつけられて,困難になり,行政の手で処分となります。子どもが知ると悲しむから,反対するからと,内緒でことをすませようとするかもしれません。親は一時の気まぐれや無責任がどんな結果を生むか,最後まで見届けることなく放棄することの痛みを体験させなければなりません。体験には大切なマイナス体験もあります。そうでなければ「犬死」です。
 連立方程式が分からずに苦労していると,父も母も連立方程式は解いていないのに,なんで自分がしなければならないのか,といったことを考えます。将来の役に立たないということから勉強しなくてよい理由を見つけたと思います。それは逃げでしかありません。大人になって解かないから,解くのは今のうちなのです。能力の開発のための練習は,頭の中の道路工事であり,「考える道」を作っているのです。道ができたら,道づくりの道具は用無しで,始末されます。勉強して考える道ができるから,その後にいろんな問題を通して解決することができるのです。

 無駄なことはしない,効率優先の社会は冷酷です。生活や教育の現場には,無駄があると温かになります。コンビニエントな生活では,便利が当り前ですが,どこか無感動的であり,手間を掛けた手作りに温もりを感じます。遠慮という無駄を知っている子どもは,虐められ無視され競争に負けていきます。不躾な子どもの相手に疲れて,保母,先生が辞めていきます。作法・虚礼はしなくてもいい,寧ろしない方が無駄がないというのが今風です。でも,しなくてもよいことが「文化」という温もりです。無駄なことなので報いられないのですが,その悲しみを自分の中で温める悲壮美ともいえる余裕,それが人としての生き方に「しまり」を与えてくれるのです。



《何が育つのか?》
 日本の優れた人々が日々の実践を通して作り上げ生かしてきた仕事観があります。「働く(ハタラク)とは傍楽なり」。自分が仕事をすることは,それによって他の人,傍の人が必ず楽になっていくことになります。自分のためだけにやっていると思っていても,めぐり巡って,妻子のために,会社のために,社会のためになっているのです。働くという漢字は,人が動くと書きます。人がそれぞれの能力を持ち寄って,目標を目指すことが価値をもたらしてくれる仕事になります。

★落書き★

 クラッカーはどのメーカものでも,表面に均一のブツブツとした穴が開いています。そういう形が定番なのでしょうか。クラッカーの生地はビスケットなどの生地に比べて油分が少ないために,中にガスが溜まってしまいます。そのままにしておくと,焼き上がったときに生地の表面がデコボコになり,見た目が悪くなってしまいます。そこで予めフォークの先端などで穴を空けることで,ガスの逃げ道を作ってあるのです。完成後の型崩れを防ぐ目的があります。クラッカーを自分で作っている方には常識なのでしょうが。

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