*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 94-08 章」


『子育ちは 為すべきことに 付け足しを』


■子育ち12態様■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第8態様』

【子育ちは,共有すべき価値を納得して選び出す】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第94版では,こどもが育っている態様を説明しようとするとどうなるかを考えます。こどもには健全に育っていってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているように見えても,生きる喜びを掴まえられる脳力を身につけて欲しいのです。健全な育ちを実現する羅針盤として具体的な育ちの全方位を見届けることができるように確認していただけたらと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《何が育つのか?》
 人が暮らす社会には,ルールがあります。人の嫌がることをしてはいけない,といった形でしつけられます。しかし,言葉の意味が分っていても,訳が分っていないので,効き目がありません。叱られるから守っているので,叱られないと守れません。ルールの応用ができないのです。そこで,いちいちルールを作って,叱らなければなりません。大人がルール破りをすることもあります。例えば,灰皿のあるところで喫煙を強いられると,灰皿を持ち込もうとします。ルールの条件を無効化しようとするのは,アンフェアです。
 社会の第一ルールは,「信」です。信用を得て,かつ維持することは大切な社会的価値です。そのためになすべき方策は,「迷惑の最小化」+「役立ちの最大化」であり,そのことが,信頼関係における「ブレーキとアクセル」に相当します。同じように,責任を持つ=迷惑かけない+期待に応える,ということです。今時の若者が言われないとしないと言われるのは,役立ちの最大化という方策を教えられていないためです。自分の役割を果たせば迷惑をかけることはない,そこで途中下車しているのです。

 アメニティという言葉があります。ラテン原語のアモエニタスは,感じのよい人が集まる所という意味です。ギリシャ類語でのアメイノンは美しい人格となります。ところで,感じのよい人とは,どういう人をいうのでしょう? 人を無理矢理に類別すると,「いない方がよい人」,「いてもいなくてもよい人」,「いた方がよい人」,「いなければならない人」,「いてほしい人」。いなければならない人は,時折押しつけがましいので,いない方がいい人に格下げになります。
 人の評価をするときに,言われる言葉があります。「よくできる人」とは,仕事がバリバリこなせる職業人=専門家に冠せられ,余計なことはしない人,私のことを主に考える人というイメージがあります。一方で,「よくできた人」とは,温かな社会人であり,私たちという視点を持つ人のイメージがあります。よくできる人は,いなければならない人。よくできた人は,いて欲しい人。感じのよい人は?

 社会の目標について,整理しておきます。目的ではありません。社会が目指している理想とは,「自由,平等,博愛」であり,人間個人は自由,人間関係は平等,人間社会は博愛という階層になっています。もちろん,その背景には,「抑圧,格差,残酷」という現実があるからであり,目標に向かう努力として,「秩序,公正,規則」という方策を活用しようとしています。何となく自由や平等を目的と錯覚しているから,自由を手に入れても虚しさを託ちます。目的は「幸せ」になることなのです。幸せとは,仕合わせと書くことに気付きましょう。



《何故育つのか?》
 いい子に育ってほしい。子どもの育ちに関わる者の願いです。その願いを過度に意識すると,やぶ蛇になります。「いい子になりなさい」としつけようとすると,「いい子・悪い子」を峻別し,子どもを差別して見るようになります。いい子でない子は悪い子に貶められます。似たようなこととして,期待される人間像という言い方があります。それは一方で,期待されない人間像を生み出してしまいます。子どもたちの心に,この世に生きている値打ちがないと宣告するような場合も起こり得ます。要注意です。

★落書き★

 コロナ禍が納まり,旅に出かける機会もあることでしょう。ホテルや旅館にチェックインするときに,宿泊者名簿,宿帳に必ず記入しなければなりません。その記載は旅館業法で義務づけられていて,虚偽の記載をしていると,30日未満の身柄の拘束,または1000円未満の罰金を科せられますので,正直に申告しましょう。この宿帳の目的ですが,忘れ物など,宿泊者と連絡の必要がある場合に使用されると思われがちですが,違います。感染症や食中毒があった場合,感染ルートを特定して拡散を防止する目的があるのです。命を守るためなのです。

「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第94-07章に戻ります
「子育ち12章」:第94-09章に進みます