*** 子育ち12章 ***
 

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「第 94-11 章」


『子育ちは ゼロに始まり 足すばかり』


■子育ち12態様■

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『子育ち第11態様』

【子育ちは,失敗にめげずにきちんと反省をする】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第94版では,こどもが育っている態様を説明しようとするとどうなるかを考えます。こどもには健全に育っていってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているように見えても,生きる喜びを掴まえられる脳力を身につけて欲しいのです。健全な育ちを実現する羅針盤として具体的な育ちの全方位を見届けることができるように確認していただけたらと思います。

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《どのように育つのか?》
 何か問題が起こったとき,(1)勝負して勝つ (2)勝負して負ける (3)問題を避ける,という選択肢があります。ことは単純では無く,逃げたくても逃げられないときもあります。そのときは,潔く負けてしまうという覚悟も必要です。人生は自分の思うようにはならない,負けるばかりで勝つのは稀なものです。子ども時代に負ける練習をしておきます。「失敗を気にするな,負けるときはさらりと負けるが良い,口惜しいときはこんちくしょうと正直に叫ぶがいい,弁解なんか一切するな,泣きたいときには思いっきり泣くがよい」という励ましの言葉を掛けます。負ける練習は生き抜く力を与えてくれるはずです。
 子どもが危険な目に会わないように,用心して安全圏におきます。その安全圏の設定に注意が必要です。しくじらないように余計なことをさせないという抑制は,外すべきです。子どもを失敗させないという安全圏に閉じ込めていると,子どもは自分の力の限界・境界が分りません。ここまではできる,大丈夫という確信が持てないので,過度の臆病になります。取り組もうという自発性にブレーキを掛けてしまうので,主体性が育てなくなります。自信とか勇気は,失敗による自分の力の現実を認めるときから湧いてくるものです。

 子どもたちに,道理という物事のプロセスを把握する力が弱くなっています。ああすればこうなるという,物事のつながりが認識されないのです。何かしでかしたとき,こんなことになるとは思わなかった,知らなかったと言い訳をしてきます。また,試験の結果に対して,「当たった!,ハズレタ!」で済ませています。できなかったところで何が間違いであったのか,反省として見届けようとしません。遊んでいても,やりっ放しで,後始末ができません。失敗しっぱなし。自分の後始末としての反省は自分しかできないのです。
 社会生活においては,他への迷惑が起こるかもしれませんし,避けられません。子どもの遊びでも,アクシデントは起こります。カンケリ遊びをしていて,勢いよく蹴った缶が友達にあたって怪我をさせます。「僕じゃないよ」とみんな逃げ散っていきます。後始末の仕方,「ご免なさい」と誤り反省する,そういう責任の取り方を身につけさせなければ,逃げる癖がつきます。もちろん,大きな不始末の場合には,「お父さん!」「どうした?」ときちんと受け止め,後を引き受けてやること,親しかできないことです。

 「0点の思想」を紹介しますので,是非活用してください。試験では,間違い=0点です。保護者はそんなもの要らないと,眼の仇にします。ところで,一般世間ではマチガイをすると,責任を追求され,罰さえあり,マイナス点(反則点)がつきます。試験の答案を採点していると,マイナス点を付けたくなるまちがいもあります。しかし,採点者は0点しか付けられません。どんなにひどい間違いをしても,「無かったことにしよう」(水に流す)というのが0点の意味です。
 失敗していいよ,責めないからということです。失敗の勧め,安心して間違えなさい,採点はプラスしか見ないということです。決して100点から間違った分を差し引きしているのではありません。学校の試験は,知らないことを学んでいくので,元々の0からプラスとして学習成果を見ているのです。つまり,教育・養育における基本的視点として,マイナス点はあり得ないのです。プラスしかありません。その上で,忘れてならないことは,反省の勧めです。反省しないと0点のままということになります。



《どのように育つのか?》
 今号と次号を会わせて,「育ちの4サイクル」になります。成長の動きのプロセスを次のように想定しています。
    失敗:「しまった!」:学びがスタートします。(弱さの自覚)
    反省:「どうして?」:もう一人の自分が目覚めます。
    学習:「人はどうしている?」:マネル=マネブ=マナブ!(型から入る)
    挑戦:「こうしてみたら?」:可能性へ挑戦します。
 この4つのパターンの繰り返し,積み重ねによって,育ちの年輪が刻まれていきます。ドジの年輪が人を強くしてくれるのです。冬を辛抱する樹木に固い年輪が刻まれるのと同じです。

★落書き★

 映画や舞台などで喜ばれないものは「お蔵入り」となります。いわゆるボツになってしまうわけです。日の目を浴びないことから蔵にしまわれるというイメージがありますが,違うようです。舞台や演劇の最終日のことを「千秋楽」と呼びますが,これを「楽になる」と言っていましたが,これが逆さに「クラになる」と呼ばれ出しました。売り上げの悪い作品も早くに千秋楽を迎えることになってしまいます。そのような作品が「クラになった」と言われて,お蔵入りになったという言葉になりました。

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