*** 子育ち12章 ***
 

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「第 99-04 章」


『子育ちは 迷う思いに 身を正す』


■子育ち12美醜■

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『子育ち第4美醜』

【嫉妬】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第99版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,状況を特徴付けるキーワードとなる語を選んで育ちを展望していきます。ただ構成上に変化を繰り入れます。奇数号では美しい育ち,偶数号では醜い育ちという配置をします。育ちがずれていかないためには,避けるべきことにも目配りをしておくべきです。予め注意すべきことを知っておくと,安心することができるはずです。

《嫉妬とは?》
 嫉妬とは,「それまで抱いていた優越感・愛情・独占感が突然他にしのがれるようになったことに気付いたときに感じるねたみの気持ち」と辞書にあります。嫉み,妬み,恨みといった負の感情は人に備わっていますが,呼び起こされる条件があります。それは,自分と対等な他者の存在です。たとえば,子どもにとっての他者としてのヒーローやヒロインは嫉妬を呼び覚ますのではなく,あこがれを呼び覚まします。また,行きずりの自分とはかけ離れた他者は,他者と意識されないので,感情に触れることはありません。

 やっかいなことは,生きていく上で関わる必要のある社会では,自分と対等な他者との協同をしなければなりません。自分の思い通りに物事は進むことはなく,権利には義務が伴うように,順序やルールや約束,法による禁止などが強いられます。公平性や平等性といった指標を納得できるときはいいのですが,少しでも納得できない部分を感じたときに,嫉妬が吹き出してきます。たとえば,兄弟やクラスメート間でのえこひいきが感じられるような場合です。上の子ばかりが叱られるということはありませんか?

 人に備わっている感情は,人に必要であり決して害になるはずはありません。嫉妬という負の感情は,自らを鼓舞するスイッチへの誘いです。それができるように成長しなければなりません。ところが,この自らに向かうはずの嫉妬を他者に向けるとき,誤作動状態に入ったことになります。嫉妬される人には何の責任もないのですから,筋違いなのです。最近,感情を他者に向けてしまう愚かな行為が目立っています。自分だけの好意の感情を相手に押しつけるストーカーも同根です。感情の自己完結をきちんとしつけましょう。



 子どもがいじめられていた二人の母親が,いじめている子どもの母親に止めるようにいってほしいと話に行きました。その後,母親グループから逆に阻害されて,二人の母親は首を吊って自殺したことが過去にありました。顛末だけを聞いていると信じられないことが起こっています。いじめるという負の行為の背景には負の感情があり,それを自分ではなく友人に向けて解消しようとする過失が発生しています。我が子がいじめをしないようにするには,親が感情の取り扱いを誤らないようにしてみせるべきです。

★落書き★

 熱い食べ物が苦手なことを「猫舌」といいますが,猫に限ったことではありません。人間以外の動物は,熱い食べ物が苦手です。火を使って熱いものを食べるのに慣れている人間が特別なのです。熱い食べものを苦手とする代表が犬ではなく猫であるのは,猫が犬よりも人間の近くで暮らしていたからだと考えられています。江戸時代から猫舌という言葉は存在していたそうです。


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