【第2章】居場所の確保

〜あなたのお子さんには,自分の居場所がありますか?〜

 《2.3》 安心させるためには,どうすればいいのですか?

 4歳の男の子が妹の誕生後,オネショをするようになりました。病院に連れていっても治りません。オネショをしなかったある日,母親が「できたね」と抱きしめてやると,男の子は「お母ちゃん。またできたらだっこしてくれる」と言いました。母親の膝が安心の場であることを男の子は訴えていたのです。親子でだっこの大切さに気がつき,またできたらという未来が見えたとき,子どもに育とうという気持ちが植え付けられました。
 いじめで自殺した男子中学生の遺書が,「家の人へ」という書き出しで始まっていました。「母さん」ではありませんでした。子どもの最後の居場所(逃げ場所)は母親の懐ですが,最近の子どもには母親が鬼の顔に見えるという有様です。子どもにとって「お母さん」という呪文は目に入らぬ印籠と同じくらいの重みがあります。

答 「親は余裕を持って,ありのままの子どもを懐に包み込むことです」