【第2章】居場所の確保

〜あなたのお子さんには,自分の居場所がありますか?〜

 《2.4》 子どもは人とのつながりを,どう意識しているのでしょうか?

 人とのつながりを自覚する仕方にはいくつかのタイプがあります。「お前さえ産まなきゃ」と言われたら,「いない方がいい人」と判定され,子どもには絶望しか残りません。毎日何となく生きていると,「いてもいなくてもいい人」という不安にさいなまれます。親は忙しくしているのに自分は蚊帳の外であれは,「いてもいい人」で楽ではありますが落ち着きません。そこで人は「いなくてはならない人」になり,安心しようと努めます。父親はその自覚が強いでしょう。しかしそこには落とし穴が待っています。いなくてはならない人は自分の努力を誇るあまりに,他人に努力を押しつける副作用を呈します。そうなると周りの人からは敬して近寄らず・留守がいいという扱いを受けて格下げされます。いなくてはならない人は無理をしているために,決して安心できる関係ではありません。
 人が結ばれるとき,ただ側にいてくれるだけでいいと願います。子どもが生まれるときには,ただ無事なことだけを祈ります。大事な人とは「いて欲しい人」です。親が出来の良さなど無関係にどんな子どもであれいて欲しいと思っていれば,子どもは安心します。 親にとって自分は Wanted Child であり,家庭は好意的であると思えたら生きられます。

答 「自分の存在価値は,他人との関係の中に見えます」